毎日小学生新聞編集長の太田阿利佐です。
このたびは、私たちの試みにたくさんのご協力をいただき、ありがとうございます。
今回、参加者の方にいただいたコメントについて書かせていただきます。
「毎日新聞さんのLGBTに関する記事やこれまでの取り組みにはとても賛同しますが、クラウドファンディングに全面的な賛同はできません。2つの理由があります」
私たちは、まさにこのような(批判的な)ご意見をいただくために、
クラウドファンディングを始めました。
コメント、本当にありがとうございます。
通常、新聞は記者・社員と、ごく限られた関係者(取材対象者や広告主)によって作られます。
もちろん取材対象者や広告主の方々を信頼しています。
でも、LGBTなど性的少数者の子どもたちをどう支援すべきか、子どもたちにこの問題についてどう教えるべきかという問題については、日本社会にはまだ十分な知見はないのでは?と感じています。
では、どうするか。普通ならしばらく様子見をします。
正直、私もこれまでそうした選択をしてきました。ただLGBTの子どもたちの問題は、そうやって放置していていい問題とは思えませんでした。
みなさんに意見をいただきながら、試行錯誤しながらやっていくしかないと考えています。
だから、実際の紙面をつくる前に、いろいろな意見をいただけて、とてもありがたいです。
「いま、小学生たちを励ましても、つらくなる子もいると思います。不用意にカミングアウトしたら、親の不理解に悩み、子どもたちが家出するかもしれません。そうなった場合、支援のネットワークはほとんどありません。どうか、そういう子どもたちがいるということも忘れずに、記事の作成をお願いします」
分かりました。
安易にカミングアウトを促したりしないよう、十分留意します。
「二つ目の理由は、新聞という媒体は、こういうプロジェクトにお金を出せない人の声を広く届けるものであってほしいと思うからです」
はい、私もそうありたいと思います。そうあるべきだと思います。
新聞社の収入は、①読者からの購読料と、②企業からの広告料です。
紙の新聞の購読者は急激に減少する一方、ネットの記事の購読者はじわじわとしか増えません。一方②は景気の波に大きく左右されます。
当社のような古い新聞社は、昔からたくさんの支援事業をやっています。
総収入が減っている時、新しい支援事業が予算を獲得するのは難しい……というか、基本的に古い支援事業を打ち切らないとできません。
あるいは、新しい広告主や協賛企業を探すか、です。もちろん理解のある企業はたくさんあります。でも……企業だけではなく、市民(個人)にスポンサーになってもらうことはできないだろうか、と考えました。お金や意見やメッセージを、市民の方々から直接集めたら、これまでとは全く違う新しいものができるのではないか。
それが今回の企画です。この企画には、実に多くのLGBTの当事者の方々からご協力をいただいています。ですが、もちろん今回の企画が100点満点だとは思っていません。次回はもっといい企画にしたい、と思っています。
ちょっと言い訳になりますが、以上は私の個人的な見解です。
最後に「プロジェクトの成功を祈っています」などとたくさんの応援メッセージをいただき、ありがとうございました。
みなさんのコメントにとても励まされています。
長々とお読みいただき、ありがとうございました。
太田拝