おはようございます。白木朋子です。東京は清々しいお天気です!
そんな月曜の朝から重い話題で恐縮ですが、どうしてもお伝えしておきたいことがあります。
ガーナでプロジェクトを始めてから今年で5年目になりますが、最近特に目立ってきた問題があります。子どもの人身取引です。
ガーナの北の隣国ブルキナファソから移住してきたヤヤ一家(仮名)。夫婦とふたりの子ども(4歳と3歳)がいますが、もうひとり14歳の女の子マリーちゃん(仮名)も同居していました。
「子ども保護委員会」(村の住民のボランティアグループ)の見回り活動の結果、マリーちゃんが一度も学校に通っていないことがわかりました。家庭訪問をして話を聞いたところ、
「カカオ農園である程度働いてお金を貯めたらブルキナファソに帰るつもり。」
ということで、「マリーちゃんを学校に通わせてほしい」と説得しましたが、
「そのつもりはない」
という残念な答えが返ってきました。もともとマリーちゃんは働き手のひとりとして連れてこられたのです。
「子どもを労働させる目的で、ある場所から別の場所に連れてくること」は、国際法上も「人身取引」にあたります。たとえそれが親戚の子どもであってもです。
ガーナは近年経済が好調なため、より貧しいといわれる周辺国やガーナ北部から、カカオ生産が盛んなガーナ南西部へ移住してくる人がたくさんいます。この1年以内で、コートジボワール、ブルキナファソ、トーゴなどからACEの活動地域に引っ越してくる同じような家族が増えています。
とにかく人の流入出が激しいため、常に見回り活動を行って、
「保護者には、14歳未満の子どもを学校に通わせる義務があり、労働者と使うことはできない」
ことを、おとなにしっかりと理解してもらうための家庭訪問や啓発活動ことが、より重要になっていると感じています。
日々を生きることに精いっぱいな家族にとって、特におとなが教育を受けた経験がない場合には、すぐに理解してもらいにくいことも多いですが、おとなに対する農業技術や小規模融資の支援を組み合わせながら、根気強く説得しています。
幸いなことに、村の中にはこういった活動に協力的な住民もいます。自らもかつては小学校を中退し児童労働をしていたニャメさんは、働きながら独学で読み書きなどを学び、今はカカオの農園主となった人。
学びたくても学べなかった自分の経験を活かし、子どもを守る活動に協力してくれています。
地道な取り組みにはなりますが、この積み重ねが村の人々の意識や行動を変え、村、地域、国を変える土台となっていきます。
現在の到達金額38万3,000円。あと5日で31万7000円です。
ご支援どうぞよろしくお願いします! http://p.tl/Ziz3
<写真1>ヤヤ一家(仮名) 親戚の14歳の女の子は写真には写っていない。
<写真2>かつて自分も児童労働していたというニャメさん。小学校を中退したため、独学で勉強し農園主になりました。農園で働いていた女の子を学校に通わせています。やさしいジェントルマンです。