写真集のタイトルを決めるのは至難の業です。僕のこれまで作った写真集でもタイトルはなかなか決まらなかったものが多いです。それはたぶんコンセプトのはっきりした集まりではないからだと思います。写真を撮り始めるときには、それがいつか写真集になるかどうかははっきりわかりません。時間が経つにつれ枚数がたまっていき、一つの塊として出せるようになったら写真集にしてみようと思うのです。写真集「Takuji」の時もどういうタイトルがいいのかさんざん悩んだあげく、単純に主人公である祖父の名前に落ち着きました。
「英ちゃん 弘ちゃん」というタイトルも最初から決まっていたわけではありません。写真が何枚か撮れるたびにアートディレクターの原さんに、「英ちゃんと弘ちゃんの写真ができたので見てください」と持って行っているうちにそれがそのままタイトルになりました。
もうひとつ考えなければならなかったのが、英語のタイトルでした。
そのまま漢字だけでは読めないし、「Ei-chan, Hiro-chan」では中国人のようです。本名は英二と弘康なので、「Eiji and Hiroyasu」。ちょっと言いづらいかな。とにかく現代では世界中の人にwebで検索してもらうためには簡単で覚えやすいものがいいと思います。
上の写真写っている髪の長い男、僕の20年来のニューヨークの友人マイク・ミンがたまたまこの時一緒にいてヒントをくれました。「Eiji and Hiro」がいいんじゃない?と。 あまりに簡単な答えですが、すっと入ってきました。
「英ちゃん 弘ちゃん」
「EIJI AND HIRO」
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若木信吾