このプロジェクトは、 "シュタイナー教育" で知られるルドルフ・シュタイナーの思想の普及と研究を行う書籍を出版するサックスブックスが行う、ドイツ人医師であり音楽家でもあるアルミン・J・フーゼマンの著書『音楽要素から構築された人間のからだ』を翻訳出版するプロジェクトです。
※ドイツ語原著の写真です。実際に出版
・クラウドファンディング期間中は、お得な先行予約特典が多数あります。
・2017年7月31日(月)23:59までに目標金額を達すると、プロジェクト達成となります。
・目標金額に未達成の際は、プロジェクト非成立となり、支援金は返金、書籍も制作されません。
なお、クレジットカードの決済のタイミングは、カードの種類によって異なります。VISAマスターカードは目標金額に達成したタイミングで決済され、JCBアメックスダイナースカードは申込みと同時に即決済、プロジェクト非成立となった場合は、後日自動返金となります。
20 世紀の初頭に生きたドイツの思想家 ルドルフ・シュタイナーは、自身が創設したアントロポゾフィーという独自の人間観に基づき、生涯6,000回に及ぶ講義 活動を行いました。
ルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner 1861-1925年)
旧オーストリア帝国出身の神秘思想家、哲学博士 ウィーン工科大学で物理学や数学などを学んだのち、ワイマール版ゲーテ全集・自然科学編の編集委員として活躍 20世紀に入ると同時に、ロシアの神秘思想家 H・ブラヴァツキーの創始した神智学運動に加わり、1912年、アントロポゾフィー(人智学)協会を設立 独自の精神科学に基づいて、哲学・思想・教育・医学・農業・建築・芸術・社会論などの分野に業績を残した
シュタイナーは既存の科学を拡張し、人間認識を深めることを目的にアントロポゾフィーを発展させ、哲学・思想・教育・医学・農業・建 築・芸術・社会論など様々な分野で業績を残しました。現在、シュタイナーの学問的業績は350巻に及ぶルドルフ・シュタイナー全集として出版され、世界各地で実践活動が行われています。
シュタイナーは既存の医療(通常の西洋医学)を否定することなく、それを更に深め、またその可能性を広げるという意味で「拡張医療」としてのアントロポゾフィー医療を発展させました。これまでの医学では人間を個々の臓器に分解し、機械的な構成体として人間を認識してきましたが、シュタイナーはそれだけでは不十分だと考えました。それは音楽を「空気の振動」 だと見做しても、少しも音楽を体験していないことと似ています。 本当に人間を理解するためには、個々の要素に切り刻むだけでなく、全体観として人間を観る必要があるとシュタイナーは考えました。だからこそシュタイナー は医学という学問的な領域においても、芸術的な感性を活かすことを重要視し、そうして初めて得られる包括的な人間像が、本当の人間理解に繋がるとシュタイ ナーは考えたのです。
著者 アルミン・J・フーゼマンについて
「私は三十年以上前にドイツに渡り、ピアニストとして音楽芸術の素晴らしさを人々に伝え、また音楽の教師としては子ども達に沢山のレッスンをしてきました。 そんな中で私はシュタイナーの思想を通して、音楽という芸術が人間にとって不可欠だということを強く実感するようになりました。そしてアルミン・J・フー ゼマン氏の著書『音楽要素から構築された人間のからだ』は正に、私が芸術家として体験している音楽の本質を、医学的な人間理解に適用したものでした。 フーゼマン氏は、大学で音楽を学んだ後に医師になったという面白い経歴を持つ方で、臨床の分野も内科、外科、小児科、治療教育など多岐に亘ります。そして 彼は前世紀の90年代からドイツのシュトゥットガルト近郊にて、アントロポゾフィー医学の卒後研修機関である「オイゲン・コリスコ・アカデミー」を主宰されており、医師を指導する傍ら講演会に於いてはピアノの演奏もされています。そういった意味でフーゼマン氏はピアニストとして、私の『同業者』だと言うこともできるのです」。
アルミン・J・フーゼマン(著者)
1988年よりシュトゥットガルトにて一般内科医として診療に従事。1993年よりシュトゥットガルト近郊のフィルダークリニックにて、アントロポゾフィー医学の卒後研修機関である「オイゲン・コリスコ・アカデミー」を主宰。
1969年から71年まで音楽を学び、73年から80年まで医学を学ぶ。80年から88年まで内科、外科、小児科、治療教育の各専門分野で臨床教育を受ける。博士論文「幼少期の国家社会主義(ナチズム)による迫害がも たらした心的障害について」(1977)
本書の翻訳について
「本書はフーゼマン氏の意向により、ずいぶん 自由な翻訳が行われました。例えば訳者が不必要な重複だと感じた箇所は削除したり、或いは逆に言葉が少し足りないと思われる箇所は表現を付け足したりもしました。詰まりドイツ語らしい表現を忠実に日本語に変換することではなく、著者の意図を可能な限り自然な日本語で表現することを試みたのです。 言うまでもなく、このようなことは全てフーゼマン氏が訳者としての私を信頼し、日本語の構成に関して全権を委託してくれたからこそ許されることです。そしてフーゼマン氏は、そのようなかたちで日本人にとって読みやすいテキストが出来上がったことを、心から歓迎してくれています」。
【プロフィール】
吉田和彦(音楽家・在ミュンヘン)
1960年東京・中野生まれ
国立音楽大学ピアノ科を卒業後、ミュンヘン・オイリュトミー協会の招聘により 1984年渡独。以後ドイツはもとよりスカンジナビアを含めたヨーロッパ各地において演奏のみならず作曲・教育・講演等の分野で活動。仕事の傍ら6年間に 渡りクラウス・シルデ教授の薫陶を受ける。2006年ドイツ国籍取得。ミュンヘン・キリスト者共同体音楽監督、ミヒャエル・チェーホフ演劇学校並びにシュ トゥットゥガルト・プリスターゼミナール(司祭養成大学)の各音楽講師を兼務しながら現在もゲーテアヌム朗誦・音楽部門やキリスト者共同体・儀式音楽委員 会などの中心メンバーとして活躍。更に2012年よりミュンヘン郊外のグレーベンツェル・シュタイナー学校高等部で合唱と作曲を指導し、2017年秋から は南バイエルン・シュタイナー学校教員養成セミナーの音楽講師も兼任する。四国アントロポゾフィー・クライスでは助言者として、創立前より日本とヨーロッ パの架け橋を担っている。
音楽に於ける音程(インターヴァル)というのは、耳で聴くことは出来ません。
何故なら耳で聞くことが出来るのは音程を生み出している二つの音であって、音程 そのものは人間が内的に体験するものであり、それこそが音楽の本質なのだとシュタイナーは述べています。そして、この音程には芸術としての音楽の本質だけ ではなく、いわば「力の作用」とも呼べるものが隠されています。例えば音楽が「人間を治療する力」を持っているからこそ、音楽療法というものが存在するの です。 フーゼマン氏はこういった観点から音楽的な力が、人間の骨格や内臓に至るまでの形成力に決定的な影響を及ぼしている、ということを明らかにしています。そ して、そういった解剖学的・生理学的な研究に加えて、日常生活に於ける体の働き、人間固有の直立や言語、そして手腕によるしぐさにまで、音楽の力が及んで いるということも述べられています。そして、こういった考察の延長線上では、例えばベートーヴェンは肝硬変で死亡したという、音楽とは全く無関係に思える 事実さえも、意味深い研究対象として私たちの目前に姿を現すのです。
現代の医学書に於いて人間(人体)とは、極めて複雑に、また高度に 構成された生化学的な機械であると述べられています。そして例えば、そういった知識を身に付けてしまった保育士さんは、明日から子どもを「20kgの生化 学的塊」と見做しながら教育を行っていかなければならないのでしょうか?或いは古代ギリシャの人たちが「天球の音楽」と呼んだ、「あの宇宙的な力の調和 の結果として人体が存在するのだ」という人間像を持って教育を行うことも出来るでしょう。 ファンタジー豊かな子ども達と接する教育現場において、どのような振る舞いが子ども達にとって有意義な作用をもたらすでしょうか?
そういった意味で本書は、単に医師や療法士など、様々な治療に関わる人たちのための解剖学・生理学・病理学の専門書以上の意味を持っているのです。
それは既に述べたように、保育士さんや学校の教師などの教育関係者、また音楽という芸術を人間全体から思想的に把握したいという方、或いはオイリュトミストを始めとする様々な舞踏芸 術――それは人体を「楽器」にする芸術ということですが――の関係者にとっても、非常に興味深いものだと言えます。
また本書はシュタイナーが発展させた「ゲーテ主義的自然科学」の良書であると見做すことも出来ます。それは「自然」という対象を、芸術性という「温かな感性」で研究する手法を指します。そして、そこで述べられていることは全て、今もなお臨床にあたっている医師によって書かれたものであるからこそ、現代の自 然科学の研究成果と少しも矛盾しないのです。
2017年8月中旬の完成・出版を目指して、制作致します。
本書を出版するのは、四国の出版組織サックスブックスです。
サックスブックスは、シュタイナーの思想の普及と研究をしている「四国アントロポゾフィークライス」の出版部として立ち上げられた組織で、
スイスのゲーテアヌムに拠点を持つ国際機関「普遍アントロポゾフィー協会」会員が構成する四国のグループ「四国アントロポゾフィークライス」
これまでシュタイナーの思想を紹介する書籍を出版してきた実績があります。
本書は図版が多く、ページ数も これまでになく多い為(300頁を超える)、資金が不足しています。
そこで皆さまに出版に必要な金額(印刷費・制作費・広告費など)を合計した、プロジェ クト全体の予算の半額をクラウドファンディングで出資して頂きたいのです。具体的に、印刷費・制作費・広告費に合計120万円の予算が必要で、つまり今回はその半額の60万円がクラウドファンディングで達成したい金額なのです。
・出資して頂いた皆さまには、販売価格(3700円+税)よりお得な価格(3500円+税)で、発売予定日よりも早く郵送でお届けします。
・5冊以上お買い上げの場合はさらに割引があります。
・2017年8月23日(水)には訳者の吉田さんが来日する機会にあわせ、この本についての出版記念講演を大阪で開催します。参加者に意見を出していただきながら本書ついて詳しくお話ししたいと考えておりますので、ぜひお越しください。
・お礼メール
・アルミン・J・フーゼマン著『音楽要素から構築された人間のからだ』1冊
※以下、著者名および作品名省略。
・書籍1冊 + 大阪で開催する出版記念講演 参加コース
--- 出版記念講演・概要 ---
日程:2017年8月23日(水)
時間:19:00〜21:00を予定しています。(現在調整中で、決まり次第お知らせ致します)
場所:GLAN FABRIQUE(〒567-0888 大阪府茨木市駅前1-8-28 )
・書籍1冊 + 書籍巻末にお名前(お好きなお名前)掲載コース
・お得な 5冊セット コース (7%割引)
・お得な 10冊セット コース (10%割引)
・お得な 20冊セット コース (20%割引)
・お得な 30冊セット コース(30%割引)
・お得な 50冊セット コース(40%割引)
シュタイナーは人間の「からだ」と「こころ」の関係性を知るためには、音楽家として生理学を研究しなければならないと述べていますし、またドイツ・ロマン主義 の詩人ノヴァーリスは「全ての病いは音楽的な欠陥である」とも言っています。そして私は長年ドイツで音楽家として活動してきた経験から、本書の価値を誰よ りも実感している、と自負しています。だからこそ、私は本書を日本の皆さまにも読んでいただきたいと願っているのです。 確かに音楽というのは芸術として素晴らしいものです。しかし「人間」という大きな全体に於いては「音楽」というものもまた、或る意味ではひとつの小さな部 分に過ぎないとも言えます。しかし裏を返せば音楽を失った人間というのは、本当の意味での「人間」ではないのです。正にMors sine mūsīs vīta.(音楽のない人生なんて死んだようなものだ)ですね。最後に、ひとりでも多くの方に本書の素晴らしい内容に触れて頂くことを願っています。