BONX BOOSTが量産体制に入る中で音量ボタンの設計に関する課題が見つかり、それをどのようにBONXが解決していったのかレポートします。
たかが音量ボタン、されど音量ボタン。見た目、押し心地などの操作性、金型での量産のしやすさなどあらゆる制約が重なる中で世界最高のコミュニケーションデバイスを生み出すための試行錯誤をご覧ください。
BONX BOOST全体の設計コンセプトは全体が丸くお菓子のような見た目。それに伴って音量ボタンは全体の見た目の丸さを邪魔しないように可能な限りボタンの存在が目立たないが、操作する際にはたとえ手袋などをつけていても自然にアクセスできるというものが目指すべき姿です。
上の画像は設計段階での音量ボタンの形状(画像内赤丸部分)。ここから生産工場と連携を取りながら実際に量産をする際の問題を洗い出していきます。
実際に図面を作り込んでいく内に最初のデザインではうまく成形できないことがわかり、提案されたのは上の画像のようなボタンの内側がえぐれた形でした。金型の抜きやすさという観点から見るとこの形は妥当です。しかしこの設計図面を元に金型図面を作り試作をしてみると、ボタンが固くて直感的に押しづらく追加で内部設計の見直しが必要となりました。
ここからデザインチームと生産工場側の間で様々な設計が現れては消え、往復10回以上ものやり取りが行われます。ここではその一部を紹介。
ピンク色のものが以前よりデザインしていた音量ボタンの形状、黄色のものが新しく提案されたもの。新しい黄色のデザインではボタン全体のサイズが小さくなり、真ん中のくぼみが広がっているのが特徴的です。ただしボタン部分が小さすぎて操作性が悪く、かつ意匠的にも悪くボツとしました。
くまの耳のような形で音量ボタンが現れるデザインも登場しました。このデザインは金型でも抜きやすく、音量ボタンの位置もわかりやすいです。しかし、設計の目標として全体が丸く見た目上は音量ボタンの存在が意識されづらいものの手で操作するときには自然とボタンの位置がわかるような絶妙なラインを求めていたためボツ。
その他にも多くのデザインが考慮され、BONX BOOSTの音量ボタンは見た目が丸くかっこいいという意匠性、押しやすさや手袋をつけていても自然にボタンの位置がわかるという機能性、実際に工場でも量産ができるという生産性すべてが兼ね備えられたより良いデザインへ向かいます。
そんな繰り返しを経て、最終デザインの一歩手前の試作品として生産工場から送られてきたのが以下のもの。
全体の見た目はもとのデザインに近く、かつ押し心地もかなり改善されたのですが、金型から本体を抜く際にボタン端の部分に突起ができてしまうという問題が残りました。
このままではカッコよくない、とさらに細部にこだわり修正を行い完成したのがこちらのデザイン。
赤い線は金型の抜きどころ(マニアックですが赤線部を外側へスライドさせるスライド金型で対応)
ボタンの裏側(装着時 頭に近い側)を少し窪ませることで金型から抜いた際に突起がなくなる問題もなくなり、全体の見た目もスッキリしました。最終的には元々のデザインと大きく変わらない上に、押し心地も格段に改善。世界最高のコミュニケーションデバイスへのこだわりはミリ単位のデザインにも現れています。
みなさんのお手元には以上のデザインが採用されたBONX BOOSTが届きます。意識せず音量の操作ができる音量ボタンがBONXの理想ですが、実はその体験の裏側には今回のようなミリ単位の細かい調整が何度も入っていることをお伝えしました。
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