支援4億円超えを達成した「オートフォーカスアイウェア」が更に進化
乱視にも対応。より軽量に、よりメガネに近い形状でおしゃれに。
“近くも遠くもはっきりみえる”視覚体験を提供。ViXion01S

ViXion01Sの誕生秘話:開発責任者内海インタビュー

ViXionスタッフです。

今日は、ViXion01Sの開発責任者である内海さんにお話を伺います。 ViXion01Sの開発のエピソードやViXion01Sに込めた想いについて、じっくりと語っていただきました。

内海 俊晴

取締役/開発責任者 1983年、HOYA株式会社入社。マスク事業部デザインセンター長やビジョンケア部門技術研究開発部を経て、2015年よりロービジョンに対応したウェアラブル機器の研究開発に携わる。

 

— 今回、ViXion01Sをリリースした理由について教えてください。

実は、 ViXion01を使っていただいているユーザー様から「乱視があるとちょっと見えにくい」という声が結構多かったんです。こういったご意見を受けて、乱視や斜視の方でも見やすくなるようにと、アウターレンズを簡単に交換できる仕様を考えました。これなら、サングラス仕様や偏光レンズなどにも対応できますし、より幅広い方に使っていただけるかなと。

— ViXion01Sのデザインについても工夫がされているとお聞きしました。

はい。ViXion01は特に女性のユーザー様からは「このデザインは好きなんだけど、職場で使うのはちょっと...」というお声もありました。ですので、軽量化も図りつつ、できるだけ普通のメガネに近いデザインにしました。軽さも含めて、日常で自然に使いやすいものにしたいと考えたんです。結果的に(アウターフレームなしの状態で)40%の軽量化を実現できました。

— デザイン以外のViXion01からの改良点についても伺いたいのですが、具体的にはどのような部分が変わったのでしょうか?

より使いやすくするために、掛け心地をよくしたかったんです。そのために軽量化や左右のバランスを調整しました。それから、距離を測るセンサーの性能もアップしています。 そして装置の状態を知らせるブザー機能や操作性を向上させる左右のレバーを採用しました。そして、連続動作時間はViXion01の10時間から、ViXion01Sでは15時間に延ばしました。長時間使用される方にも安心して使っていただけるようになっています。さらに、頭の動きがわかるセンサーを搭載していて、この機能を活用したアプリの開発も検討中です。

— また、ViXion01Sをどのような方に使っていただきたいとお考えですか?また、その想いを持つに至ったきっかけや背景を教えてください。

ViXion01Sは、視力に困っている方々に特に役立てていただきたいですね。例えば、近視や老眼の方、強度近視で視力が安定しない方など「見えにくさ」に悩む方々に向けて作りました。 実は、以前暗視ゴーグルのMW10の体験会で、視力や視野の問題で困っている盲学校の子供たちと接する機会がありました。そのときに、視力補助が目に問題を抱える人たちの生活の質にどれだけ影響を与えるかを実感し、その体験が開発への想いをさらに強くしました。

— 他にも、具体的な利用シーンが思い浮かぶ場面はありますか?

例えば、趣味で模型を作ったり、細かな手元作業をしたりする方に使って欲しいと考えています。実際、試用してくださった方からも「目の疲れが軽減された」というお声をいただいていて、お役に立てていると感じられるのが嬉しいです。

— 最初のオートフォーカスアイウェアであるViXion01の開発中に直面した課題や、そこから得られた学びについても教えてください。

ViXion01の開発では、最初からいろいろな課題がありましたね。そもそも、視力支援アイウェアを作れるなと思ったのは、展示会で目にした様々な部品にインスピレーションを受けたことからでした。でも、最初の試作機を見せた時、メガネの専門家からは「こんなものは役に立たない」と言われることが多く、特にレンズ径が小さい点に関して批判がありました。

— 専門家からは難しいと言われた中で、それでも製品化に進められたのはなぜですか?

それは、私が半導体のマスクや電子設計が専門で、むしろメガネの専門家ではなかったからかもしれません。だからこそ、専門家が「無理だ」と言う部分にも疑問を持てました。自分としては「便利なのになぜ?」と思っていたんです。この経験からも、時には“専門外”でいることが新しい製品を生み出すことに繋がるんじゃないかと考えるようになりました。半分素人でいることで、柔軟に発想できることもあると思うんです。

 

— レンズの仕様についても特別なこだわりがあったとお聞きしました。

そうですね。レンズの焦点距離の調整幅を大きくして、視力に困っている方が本当に使いやすいように設計しました。ビジネス的には“オーバースペック”だと言われたこともありますが、最終的に強度近視の方にも使っていただけるスペックにできたのは良かったと感じています。

— オートフォーカスの技術にも工夫があったそうですね。

最初はオートフォーカスは難しいと感じて、手動でフォーカスを合わせる製品にする方向で進めていました。でも、調べてみると、手動フォーカスで安価に市販されている眼鏡がすでにあることがわかって、それよりも高くなってしまう手動の電子機器が売れるのかと悩みました。ある日、この方法であれば誰でも簡単に自分の目に合わせられるかも、とふと思いつき、オートフォーカスの試作機を作ってみたんです。

— ViXion01の試作機の反応はどうでしたか?

試作機を関係者に体験してもらったところ、「子供の頃の目に戻った感じがする」と言われたのがとても印象的でした。それが励みになって、 ViXion01の開発を本格的にスタートをさせることができました。

— その経験がViXion01Sの開発にどのように活かされましたか?

ViXion01Sの開発には、電子回路、ファームウェア、機構設計の優秀な方が加わってくれて、彼らの発想も取り入れながら、さらに使いやすい製品に仕上げていきました。 また、体験会やユーザー様からのご意見も積極的に反映させ、長時間の使用やレンズのカスタマイズ性を強化することで、より多くの方のニーズに応える製品になったと感じています。

— 最後に、ViXion01Sに込めた想いを教えてください。

ユーザー様の声を丁寧に反映し、様々な目の問題に対応できる、視力で困っている方々に寄り添える製品にしたいという想いで作りました。長く愛用していただけると嬉しいです。 スマホ連動で目の管理ができるアプリの開発も進めていきますので、末永くご活用いただければと思います。

 

引き続き、ViXionをよろしくお願い申し上げます!

 

ViXionスタッフ一同

*ViXion株式会社は“テクノロジーで人生の選択肢を拡げる”をパーパスとし、見え方の能力拡張を実現します。*

2024/11/05 16:56