このプロジェクトをご覧いただいた方から、
「我が家の時計は、静かな時にカチカチという杪針の音が気になります。秒針はステップ式とのことですが、カチカチ音はいかがですか?」
というご質問をいただきました。
説明が足りず、失礼いたしました。
一言でお答えしますと、秒針のカチカチ音は「とても静か!」です。
無音の部屋に置いて、耳を澄まして聞いてもらうモニターテストを実施した結果、とても静かであり、聞こえないという声も多かったです。
PIVOTに搭載しているムーブメント
ご存知の通り、アナログ時計の秒針の動きは、1秒ごとに動くステップ式と連続して動くスィープ式があります。
一秒ごとにカチカチ進むステップ式は、針が動いていることが一目でわかりやすい、秒カウントしやすい、などのメリットがあります。PIVOTは、このステップ式ムーブメントを搭載しています。
一般的にステップ式の時計は、ご質問のように静かな場所では秒針の音が気になるという声も多いようです。
では、PIVOTの静かなステップ秒針はどのようにして実現されたのでしょうか。
このクォーツ式ムーブメントは、精密機械産業が盛んな長野県茅野市において、有名ブランドへのOEMも含めて数多くの実績を有する、株式会社タカネ製の静音設計ムーブメントです。
タカネ社に尋ねたところ、次のコメントをいただきました。
「当社のムーブメントは、他社ステップムーブメントと比較すると、かなり音が小さいと評価を頂くことがあります。
カチカチ音(刻音)は歯車同士の接触音です。特に接触音の原因となる歯車には、ゴムの特性(柔軟性)を持った樹脂(熱可塑性ポリエステルエラストマー:ペルプレン)を使用する事で、接触音を抑制しています。
又、同歯車は、サイクロイド歯車と言う形状を採用しており、歯車のガタつきが少なく、数枚の歯同士が徐々に接触する為、刻音を抑える効果があります。
上記は、当社ムーブメントに限った内容ではありませんが、刻音対策になります。」
もちろん、これ以外にも機密技術があると思いますが、この技術だけでも実現するのは容易ではありません。
目に見えず購入時にわからない部分に、このような地味な取り組みを行なって静かな時計を生み出しているのです
PIVOTのデザイナーは、メーカー(キヤノン)のインハウスデザイナーとして長年にわたって多くの製品開発を行い、さまざまなデバイスやその開発現場を見てきました。その経験をふまえて、この心臓部のデバイスは「知られざる一流品」と申し上げます。
どれほど美しいデザインの時計でも、秒針がうるさければ残念な気持ちになります。
PIVOTは、見えない心臓部に「一流のデバイス」を搭載した時計です。
この静かさを、ぜひご体感ください。
引き続きよろしくお願いいたします。