世界の中の日本文学に光を当てる――
文芸誌『jem』日本文学の海外受容・翻訳の状況を大特集した号を刊行したい!

プロジェクトが成立しました!クラファンは9/7(日)22時00分まで!

こんにちは、発起人の木村夏彦です。みなさまのご支援、ご協力のおかげでついに目標金額の100%を達成いたしました!プロジェクト成立となります。本当にありがとうございます。

プロジェクトをスタートしたのは7月11日。文字通り無我夢中だったため、後ろを振り返る余裕はとてもありませんでしたが、きょうが11日ということでちょうどひと月が経ったということになります。人生で忘れられようもない30日間となりました。ただただ感激しています。

本の「あとがき」にある謝辞のように、とくにお世話になった方の名をこの活動報告では記すはずでした。けれど、その人数が多すぎてとても挙げきることができません。ですので、今この短文を読んでくださっている方、あるいは読んでいなくても今回のプロジェクトに関わってくださった方、あるいは未来に関心を持ってくださる方の全員に最大の御礼を申し上げたいと思います。

今回の主特集「『世界の中の日本文学』の現在」に寄稿くださる方で、現在日本以外の国に住まれている方は何人もおられます。その方々には、ここ数か月、日本語でプロジェクトの進捗状況を細かくお伝えしてきました。けれど、韓国SFの小特集への寄稿者、暖かい言葉とともに評論および作品の掲載を快諾くださったキム・ヘユンさん、イ・ジヨンさんには最近連絡を取っていないことを、この報告を書きながらつよく想っています。プロジェクトが成立した、という朗報をこの活動報告をアップしたあとにまずはすぐにお伝えしたいと思います。

「日本文学の海外受容・翻訳の状況に関する論考を集成する」という特集のコンセプトは思いついても、寄稿くださる方を探すのは難航しました。学術系出版社やすでに定評のある媒体ならともかく、多大なリサーチを要する論考を、創刊されたばかりの同人誌に寄せてもらうことを本気で考えること自体、普通は「ありえない」ことなのかもしれません。

論文を読んで感銘を受けた海外の研究者に、「つて」もないのにいきなりメールを送る。普通は、返事すら期待できるものではないのかもしれません。それが、四、五日後に返事が来て、「私は協力できないが、日本文学の受容なら次の方にあたってみてはどうか」と記されている。そうして今回お願いすることのできた寄稿者の方もいます。こうした経験の重なりを固い地層に――つまり善意の鎖を嚙みしめて――秋以降、編集作業を進めて行く覚悟です。

さて、このクラウドファンディングのプロジェクトは9月7日の22:00まで続きます(23:59ではないことにご留意くださると幸いです)。そこで本日最後のおしらせとして、80万円というストレッチゴールを設定することをみなさまにお伝えしたいと思います。

寄稿者の方の中には、グラフや書影、そしてその語圏の主だった日本文学作品の書誌まで作成くださる予定の方もいます。弊誌は基本的にはひとり体制で、たとえば校正も創刊号では大学時代の友人や寄稿者の方に手伝っていただくかたちになってしまいました。今号では、論考中に作品名が出てきた場合、日本で刊行されたタイトルと照合する作業も必須となってきます。単に「本を厚くする」といったことではなく、寄稿者の方々の待遇を改善する、雑誌の学術的信頼性を高めるという目的で、クラウドファンディングを継続していきます。

みなさまのお近くに、本プロジェクトに関心を持っていただけそうな方がいれば、引き続き無理のない範囲で弊誌のことを紹介・拡散していただければ幸甚です。ともあれ今晩は、真珠のように稀少な原稿の数々を世に送り出すという夢が「ありえる」ことになった歓びそして安堵に、胸をなで下ろしています(なおミニエッセイ集「私のことのは散策記」も、素晴らしい原稿がすでに続々と届いてきています!)。引き続きよろしくお願いいたします。

 

2025/08/12 00:10