こんにちは、編集担当の伊皿子りり子です。
このプロジェクトが成立したら、読者の皆さんの感想や意見も取り入れながら新訳版『Ella Enchanted』を完成させたら面白くない? 編集制作チームのミーティングでそんな声が持ち上がったのは8月初旬のことでした。酒飲みばかりが集まっている編集制作チームですが、午後の麦茶でも膝を打つアイデアがちゃんと出てきたことに身内ながら感服いたしました。
飲み始める時間も行動も早いことが私たち編集制作チームの持ち味ですが、ミーティングを踏まえてさっそく実施することになったのが「エラ新訳応援」プロジェクト(『Ella Enchanted』の先読み企画)です。ツイッターで新たな翻訳作業に入る前段階の原稿を読んでくださる方を募集して、感想を教えていただこうという参加型企画。
タイミングも見きわめず前のめり気味に募集アナウンスをしてしまったわけですが、夏休み中にも関わらずご協力くださった皆さんにはほんとうに感謝です!
(※「エラ新訳応援」プロジェクトは現在もこちらで応募者を募集中)
届きはじめた感想を拝読してみると、感情移入する登場人物が違ったり、面白く読んでくださった箇所が違ったりして、それぞれに深く納得してしまいました。ファンタジー作品といっても、読む人によっていろんな角度からさまざまな解釈で読めるのが『Ella Enchanted』の魅力といったところでしょうか。
次回以降、この活動報告の場を借りて、届きはじめた皆さんの感想を何回かに分けて紹介していきますので、どうぞご期待ください。
お一人目に紹介するのは、ページを繰る手が止まらないような本に出会えそう! という直感で『Ella Enchanted』に興味を持ってご協力くださった匿名様からの感想です。
読者の感想①:「エラ新訳応援」企画
実はそんなにファンタジーマニアではない。
だけどこれはファンタジー好きじゃないから面白いのかもしれない。
深い世界観と確りした作り込みが意識させずにどんどん読ませる、そう、展開が速い!
章立てが多く短くて内容は濃く、先に進みたくて仕方がなくなる。
ファンタジーに時々ある、その世界の説明やそれへの理解を意識せず読み進むことが出来るし、仮に引っかかっても先が気になって仕方がないのだ。
停まれない。
そして読むと元気になる。
世の中そう捨てたものじゃないんだ!
この感想を書きながら思う。
この本の存在自体が多分魔法。
書けば書くほど白々しく、褒め殺しのようになり、言葉を連ねるほどに、読みながら覚えたわくわくやドキドキから離れていく。
唐突だけれど皆が知ってる「赤毛のアン」のアン・シャーリー、彼女は「腹心の友」を探していたけど、この本自身も「腹心の友」足りえる読み手を捜していて、その白々しいような紹介文の中からこの本を手に取ってページを繰る、まずそれが第一関門になるように、ひどい感想しか書けない魔法を掛けてやしないか?
いま、この本の最後の50ページが残っている。
今読もうか今夜読もうか。
頭を冷やして明日読もうか。
楽しみで仕方がない。
匿名様・40代女性(専業主婦)
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