皆さまこんにちは!PRIDE叢書第2弾、絵本『In Our Mothers’ House(ママたちの家で・仮)』翻訳出版プロジェクトメンバーの、やひろと申します。
4/24(火)の夜、代々木のサウザンブックスにて『In Our Mothers’ House』プロジェクトの作戦MTG&読書会を開催しました。当日の参加者は、本プロジェクトメンバーを含めて10名。LGBT絵本に関心がある方、里子・養子について関心がある方、翻訳家の方など、参加のきっかけも様々な皆様にお集まりいただきました。
まずは絵本の原書を手に取り、各自読んで、ひとりずつ感想を共有。いやあ、実にいろんな意見が出ました。以下、一部をご紹介します。
いろんな感想があがりましたが、やはり「レズビアンカップルが共に老いて亡くなるまでをきちんと描いている」点が最も評価されていたと思います。近所に住む意地悪なおばさんが文句を言ってくる衝撃的なシーンでも、他の近所の人々はお母さんふたりに優しい声をかけていて、ふたりの一家が普段から地域に溶け込み連帯している様子が感じられます。会は白熱し、全員で話しているうちに様々な名言も出ました。
この3つめの名言に私はとても共感しました。
この物語は、すでに当たり前に存在しているレズビアンカップルが子育てをする、なんでもない日常を描いているだけなんです。
でもそのことが、「お父さん、お母さん、子ども」という形の家族のみが描かれがちな絵本の世界で、どれだけ大きな意味を持つか。絵本を通して多様な形の家族に出会えることは、LGBTの当事者だけではなく、全ての人にとって大切だと思います。
また、この絵本には登場人物が多いのも特徴で、何度も絵本を読んでいるといつの間にか自分の「推しキャラ」が生まれるので、推しキャラトークにもなりました。私の推しキャラは、イタリア人のおじいちゃんの「ノンノ」です。ノンノは、お母さんふたり(ミーマとマーミー)のうちのミーマのお父さんで、料理が大得意。娘一家を訪問して一緒にじゃがいものニョッキを作る時は中心となり(この時の料理の描写がそれはそれは美味しそうなんです!!)、地域の野外パーティでは大量のスパゲティと揚げたシュニッツェルを振舞います。孫たちともよく遊び、大きな声で笑う優しいノンノですが、実は近所の意地悪なおばさんが文句を言ってくるシーンに同席していて、自分の娘一家があからさまなヘイトを向けられている様子を目の当たりにしてしまいます。この時ノンノはどんな気持ちだったんだろうと思うと、胸が張り裂けそうになります。
でも私は、終始ハッピーなだけでは終わらないのがこの絵本の何よりの魅力だとも思うのです。一家にとって楽しい時間も、悲しい時間も丁寧に丁寧に描いているからこそ、絵本の終盤で老いたお母さんふたりが微笑んで寄り添っている姿が、本当に胸に響きます。
最後に今後の作戦なども話して、会はお開きとなりました。ありがとうございました!
いよいよこのプロジェクトも残すところ約一ヶ月となりました。
東京レインボーウィーク/パレードもやってきます。プロジェクトメンバー一同、心を引き締めて頑張っていきたいと思います。
引き続き、応援の程宜しくお願いいたします!