こんにちは。発起人の本橋です。
字について、本づくりについて、勉強の日々が続きます。
8月28日は、「人と人のコミュニケーションを生むデザインとは」というタイトルのイベントに参加してきました。
司会は、NPO法人soar代表理の工藤瑞穂さんで、3人の“デザイナー”が登壇。
松田崇弥さんは株式会社ヘラルボニー代表取締役社長で、知的障がいのあるアーティストによるアート作品をプロダクトするブランド「MUKU」を運営されている方。
高橋鴻介さんは会社勤務の傍ら、デザイナー、発明家として活動されていて、点字としてもスミ字としても読めるフォント“BrailleNeue”の開発者。
楠佳英さんは、地域のおばあちゃまたちの編み物を最新のファッションに仕立てて販売している株式会社ビヨンドザリーフの代表取締役兼デザイナー。
2時間半のイベントがあっという間に感じるほど、皆さんのプレゼンも会場内での交流の時間も濃厚なものでした。
実は、『黒い本・仮』のプロジェクトを準備している段階で、スタッフ内では高橋さんのBrailleNeueについての記事を読み、「これ、コンセプトとして近いかも?」「私たちの絵本でもこんなことができたらいいよね!」というようなことを話していたところ、クラウドファンディングが始まったところで、高橋さんが私たちの企画を見つけてくださり、早々に支援と応援コメントをくださったのでした!
28日のイベントは、全体の趣旨が「コミュニケーションを生み出すデザイン」についてのものでしたが、高橋さんの開発したBrailleNeueは、目の見える人にとってのスミ字と、凹凸で文字を読む人にとっての点字を組み合わせた、誰にとっても使いやすいフォント、ということで、そのお話の内容が非常に刺激的でありつつ、説得力のあるものでした。
たとえば、「ユーザーにとってこういうものが使いやすいんじゃないか、世の中の人はこういうものを求めているんじゃないか、と、思い込みでデザインすると、それは実際には使ってもらえるものにはならない」という言葉や、「読みやすさを目指して濃い色でデザインされた文字は、たしかに読みやすいけど気分まで暗くなる」というモニターの声を例に説明された「正しさを超える」という名言など。
高橋さんのBrailleNeueと一緒に、『黒い本』の原書も展示していただき、多くの方にこの本の美しさを、見て、さわって、たしかめていただけたのも、とてもうれしかったです。
高橋さん、ありがとうございました! BrailleNeueを使った絵本の出版も、応援しています!
3名のトークに聞き入る満席の会場でした。
会場には、BrailleNeueの展示もありました。
階段手すりにも、BrailleNeueが。
BrailleNeue”の開発者、高橋さんと記念写真。