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ボローニャ国際児童図書展ラガッツィ賞を受賞。
世界14ヶ国語に翻訳されている、
メキシコ生まれの真っ黒な美しい絵本を翻訳出版したい!

『くろは おうさま』出版記念イベントのご報告

こんにちは! クラウドファンディング発起人の本橋祈です。

11月21日(木)、原宿のテーブルギャラリーにて、『くろは おうさま』出版記念パーティーが行われました!

20名前後の参加と聞いていたのですが、無断キャンセルゼロ(!)に加えて、当日のうれしい土壇場参加がひとり増え、ふたり増え、にぎやかにイベントがスタートしました。
 






最初に僭越ながら、発起人からひとことということで、ご挨拶させていただきました。クラウドファンディングにご支援、ご協力いただいたことに心から感謝するとともに、この書籍が本当に美しく、素晴らしい本にできあがったのは、目標金額達成の“その後”に、制作チームの皆さんが誰ひとり妥協せず、良い本を生み出したい、誇れる日本語版を誕生させたい、ということをあきらめなかったからだと思っています……ということをお話ししたつもりですが、うまく伝えられたか…自信がありません(笑)。



続いては、メインイベント、翻訳者の宇野和美さんによるトークです。トークの聞き手を引き受けてくださったのは、絵本専門士の資格をとられたばかりの清宮恵子さん。清宮さんは、クラウドファンディング中に、飛び込み営業ならぬ、「飛び込まれ営業」(?)で、「このプロジェクトのお手伝いをさせてください!」と、イスパニカにお電話をかけてこられた、情熱と行動力の持ち主なのです。
 


オリジナルの出版社、メキシコ・テコロテ社のユニークな出版物を紹介する宇野さん。また翻訳について、点字にするということが決まっていたからこその訳し方の工夫、また日本語版でがらっと内容を変えたページもある、などのお話をいただきました。
 

そして、編集者のほそえさちよさんからも、印刷や製本のことについて、とても分かりやすく解説いただきました。点字のJIS規格のこと、一般的な製本では点字絵本は作ることができないこと、印刷所がなかなか使わない特殊な黒い紙を使ったこと、そして、今回つけた点字シートの「黒」は、黒いインクではなく、4色のインクをかけ合わせたからこそ出すことのできた深い色だということなど、とても興味深いお話でした。

そして、サプライズで、宇野さんによる朗読も。会場が、いっそう温かくて優しい空気で満たされたようでした。




会場から、「どのようにしてこのタイトルに決まったのですか?」という質問をいただき、「タイトルは本当に悩んだし、20個くらいは案を出しましたよねえ…」と笑う宇野さん。


そしてお待ちかね、乾杯です。乾杯の音頭を取ってくださったのは、スペイン語多読の会の川本かず子さん。もともと、宇野さんの手がけるミランフ洋書店でこの原書を購入し、ひとめぼれして「日本語版を出したい!」と動いていた方です。「みんなが分け隔てなくオシャレを楽しめる服」をコンセプトとしたtenboさんの“点字をデザインしたスーツ”を着て、このパーティーに参加することが夢だったそうです!

乾杯の後の食事は、フナコシーナさんによるケータリング。「色」をテーマにしてくださったというピンチョスと、メキシコフードのトルティージャ! すてきでした~!!




たくさんの方にご参加いただき、皆さんをご紹介できないのが残念ですが…


宇野さんをはさんで、スペイン語辞書「クラウン」の三省堂、寺本衛さん。スペイン語通訳者の吉田理加さん。

本橋の大学時代の友人、鈴(れい)ちゃんは、姫路から駆けつけてくれました!! れいちゃん、ありがとう~~~~!

イベントの後半、共同印刷の坂本洋子さんからお話をいただきました。今回の翻訳出版……、サウザンブックス社の前に、実は何社からも見積もりを依頼されていたけれど、どの版元も特殊印刷、特殊製本の金額を見てあきらめていたのだと。サウザンブックスでのプロジェクトも、最初の見積もりは「家が建つ!(by古賀さん)」ほどの金額で、どうしたらいいものかと、とにかくみんなで知恵を出し合ったと。本当に、本当に、時間と手間をかけていただいたと思いますが、「このプロジェクトにかかわらせていただいてうれしかったです」と言っていただき、感無量でした。

さて、書籍になった『くろは おうさま』の旅はここからがスタートです。透明のフィルムに包まれた、紙とインクと樹脂と点字シートと、これまでかかわってくださったみなさんの思いが、ひとりでも多くの人の手と目と心に、届きますように!

パーティーにご参加くださった皆さん、心を寄せてくださった皆さん、ありがとうございました。

本橋 祈

2019/11/26 11:08