なんて豊かな色彩。凛とした人魚たちの美しさよ...!
ブルックリンのコニーアイランドで毎年開催されているという「マーメイド・パ
レード」。すべての垣根を取り除いた、カラフルでにぎやかなアートの祭典で、現地では毎年開催されているそうです。
「ぼくも 人魚なんだよ」
おばあちゃんに告白したその言葉通り、はじめて本当の自分を表現できたジュリ
アンは、どんなにか誇らしかったことでしょう。
幸せであるために、ありのままの自分を受け入れてくれる誰かが必要。
自分に似た仲間と出会えたら、勇気も百倍ですよね。
絵本の伝えるメッセージは、ごくシンプルです。
「わたし(あなた)は、わたし(あなた)のままでいい」。
自己肯定感の低さが問題となる今、あるいは未だ見ぬ「ぼくのための絵本」を待
つ子どもたちのためにも...邦訳版が待たれます!
研ぎ澄まされたテキストと、美しく豊かな色彩。
アート性も高い絵本『Julian Is a Mermaid』は、贈り物にもおすすめですよ。
絵本コーディネーター東條知美
1973年生まれ 新潟県上越市出身。白百合女子大学児童文化学科卒。在学中は桑原三郎氏(児童文学研究者)、角野栄子氏(児童文学作家)らに師事。CM制作会社、(株)メディアファクトリー(現(株)KADOKAWA)、国立国会図書館、ビジネス書出版プロデュース会社、幼児教育者育成専門学校勤務を経て、現在は絵本コーディネーターとして講演活動・執筆・イベント業のかたわら、都内小学校に学校司書として勤務。一児の母。