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円卓の騎士ガウェインが、謎に満ちた探求の旅へ―
アーサリアンポップの傑作が今、蘇る
『五月の鷹(The Hawk of May)』を復刊したい!

翻訳家・金原瑞人さんより応援メッセージをいただきました

あけましておめでとうございます。2021年最初の活動報告は、『アーサー王物語』 (ジェイムズ ノウルズ作・偕成社文庫) を翻訳された金原瑞人さんからの応援メッセージです。

200%のサードゴール目指して残り9日間(もうすぐ8日間)、どうぞよろしくお願いいたします!!

 


 

 ファンタジーが好きで、いままでにずいぶん訳してきたのですが、「イギリス、女性、個性的」という3つのキーワードでざっくり検索すると、ぼくの頭の中にはスーザン・プライス、ジェラルディン・マコックラン、アン・ローレンスが浮かんできます。3人とも文体が独特で、物語も一風変わっていて、(日本でも本国でも)絶版度が高い、というところも共通しています。しかし日本にはそういう作品のファンがしっかりいて、なんと、今回は『五月の鷹』がクラウドファンディングで、それも読者からの企画として上がってきたという。このコロナの時代の一大快挙というほかありません。

 そもそも、ガウェインを主人公にするというところからして変です。数多い円卓の騎士のなかから、ガウェインを選ぶか? あまりに面白味のない人物なのです……が、アン・ローレンスの手にかかると、それがじつに素敵な物語の主人公になってしまう。初めてこの日本語訳を読んだとき、原作のユニークさと訳文の素晴らしさに驚いてしまいました。

 それが復刊(訳し直し)されるとのこと。

 読み直すのが、いまから楽しみでなりません。

 ついでに書いておくと、アン・ローレンスのMr. Foxの原書、持ってます。これがまた変なファンタジーで……。
 

(写真:根津千尋)

金原瑞人(かねはら みずひと)
1954年岡山市生まれ。法政大学教授・翻訳家。児童書やヤングアダルトむけの作品のほか、一般書、ノンフィクションなど、今までに500作品を超える翻訳を手がける。訳書に『ゴーストドラム』『豚の死なない日』『青空のむこう』『国のない男』『不思議を売る男』『バーティミアス』『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』『さよならを待つふたりのために』など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』『翻訳のさじかげん』など。日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』『怪談牡丹灯籠』。

 

 

2021/01/05 11:09