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エイズが死に至る病だった1990年代前半、
医療従事者や患者を描いた海外コミックス
『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』を翻訳出版したい!

グラフィック・メディスンを医療者教育の現場で実践されている小比賀美香子(おびか みかこ)さん(内科医/岡山大学)から、「応援コメント」をいただきました!

 はじめまして。内科医で、大学で教員もしている、小比賀美香子と申します。
 「医学はサイエンスに基礎づけられたアートである」と言われますが、最近は臨床・教育・研究においてアート部分を意識した活動をしています。その中で、未来の医師を育成する医学教育は特に重要と考えています。日本の医学教育においては、サイエンス分野の教育に比べ、アート分野の教育が十分に実践されているとは、とても言い難いです。ちなみに、米国の医学生を対象に行った調査では、音楽、文学、演劇、ビジュアルアートなどの人文学に接している医学生の方が、接する機会の少ない医学生と比べ、共感性、感情評価、自己効力感が良好であったと報告されるなど、欧米では医学教育に積極的に人文学が導入されています。グラフィック・メディスンとして、「マンガ」が教育に取り入れられている医学部もあるようです。
 私の所属する岡山大学では、医学部教育、また医療者教育に、人文学を導入する取り組みを始めています。私も、物語能力を涵養することを目的とした「ナラティブ・メディスン(文学)」、学外のデッサン講師、美術館学芸員の方にご協力頂いている「ビジュアルアート教育(芸術)」、哲学者と哲学対話を試みる「哲学カフェ(哲学)」の各取り組みに関わっています。その活動内容は、本年1月に発行された『N:ナラティヴとケア第12号「メディカル・ヒューマニティとナラティブ・メディスン」』遠見書房 に掲載されていますのでよろしければご覧ください。医学教育に人文学を導入する意義は様々論じられていますが、私は医療者自身が人文学を通して、「自己を知る・鑑みる」ということと、「自分の当たり前を問い直す」ということが、とても重要な意義と考えています。特に医師は、自分の考えを当たり前と思い込んでいることが多く、自分の当たり前に気づいていないことも多々あり、また自分のことをよく分かっていないんです(私も含めて)。


N:ナラティヴとケア第12号
「メディカル・ヒューマニティとナラティブ・メディスン」
 

 さて、もちろん、私もグラフィック・メディスンに興味を持っています。これまで、いくつかの医療マンガを読みました。体験記同様、当事者の語りは強いというのは勿論ですが、言葉だけではこぼれてしまう時のビジュアルの表現の強さ、生々しさが、グラフィック・メディスンの特徴だと考えています。タブーや、言葉にしづらい事も伝えることができ、医学教育の題材としても、とても可能性を感じています。(実は最近、私自身も、自分の患者家族体験を時々4コマ漫画として描いていて、言葉にできないことをスッキリさせています。)

 『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』の一部翻訳を拝見しました。医療従事者や患者さんが淡々と描かれている、だからこそ、余韻と力を感じる作品ですね。完全翻訳版がとても楽しみです!! 応援しています!



小比賀 美香子(おびか・みかこ)
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 総合内科学分野 講師(医師)。専門は内科、糖尿病。1998年に医学部卒業後、国内の大学病院勤務、米国シアトル・ワシントン大学総合診療内科留学(客員研究員)などを経て、2018年6月から現職。患者家族・遺族の経験を持つ。

 


臨床・教育・研究という医療の現場でアートを意識した活動をされている小比賀美香子さんにステキな応援コメントをいただきました。アートや人文学の力で医療がより人にやさしいものになる未来を願ってやみません。
『テイキング・ターンズ』の作者MK・サーウィックも小比賀さんに近い活動をアメリカでしています。本書は決して派手な作品ではありませんが、患者にとっても医療従事者にとってもよりよい医療とは何かを考えた極めて真摯な作品です。本書を翻訳出版することで、MKの活動の一端をぜひ日本に紹介できたらと思います!

クラウドファンディングの残り日数はいよいよ3日!2月28日(日)が最終日です。
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本当にあと少しというところまで来ることができました。
最後の最後までお騒がせして申し訳ありませんが、さらに多くの方に知っていただくためにも、SNSで情報拡散やリアルでの口コミにぜひご協力ください!


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残り3日、どうぞよろしくお願いします!

サウザンコミックス編集主幹 原正人

2021/02/25 14:17