こんにちは。発起人の先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会「トーチの会」の代表の渡邊智美です。
すでに支援してくださってる皆様、本当に感謝いたします。
現在、皆様のおかげで目標額の1/3を越えたところです。68名もの方々に支援され、大変感謝しております。
クラファン期間が後半に突入しましたが、実は1/3達成以降、なかなか数字が伸びずにくすぶっているのも事実としてありまして、ぜひ支援すでにされている皆様のアップグレードや、周囲の方への「皆さま自身の言葉での」紹介や声がけなどをしていただけると嬉しいです。
やはりご自身の言葉での推しポイントなどの発信は、説得力がありますから!
ぜひ、引き続き応援宜しくお願いします。
そして、支援しようか悩んでる方には、なぜこの絵本出版が必要なのかがいまいち伝わっていなかったのだと反省しています。
そこで、改めて「なぜこの絵本を出版する必要があるのか」をご説明いたします。一言では言えないのですが…長くなります、すいません。
まず母子感染症というものの存在を、誰もが知っている世の中にしたいのです。
名前は母と子、ですがその感染経路には父も、周囲の人皆が関わっているものがほとんどであり、「関係ない人はいません。」
誰もが被害者、「加害者」にさえ、なり得ます。
自分が妊婦じゃなくても、妊婦はタバコやアルコールはダメということは当たり前の事として出てきますが、乳幼児の唾液やおしっこ、生ハムやレアステーキとなると、それの何がいけないの?となる人が大多数です。
そこに感染症が潜むなんて誰も思いません。しかも妊婦自身ではなく胎児に問題が起き得るなんて知ってる人の方が少ないでしょう。それは、知らなくてもいい稀な話だから、と考えるかもしれませんがそれは違います。
日本ではトキソプラズマに先天感染して何らかの症状を持って生まれた赤ちゃんは、毎年 200人位、サイトメガロウイルスに先天感染している赤ちゃんは毎年3000人以上、そのうち何らかの症状が出てしまった赤ちゃんは毎年1000人、生まれていると推定されています 。
これは新生児が全員受ける先天代謝異常スクリーニングの項目にある病気やダウン症と比較した表です。全員が検査する病気より圧倒的に多く、また多くの人が知っているダウン症と同じくらい頻度が高いことがわかります。トキソプラズマもCMVも「稀ではない」病気なのです。
稀ではない珍しくない病気なのに知られていないなんて変です。少し前までは「知らせたところでワクチンや治療薬がないのだから手も打てないし妊婦を不安がらせるだけだ」という考えが多かったのです。それは国も同じだったのであえて母子手帳などには書かないようにされていました。でも今は違います。
トキソプラズマに関しては妊娠中に早く気づくことができれば、胎児への感染予防もしくは障がいの軽減に使用できる薬(2018年保険適用)を妊娠中に投薬することができます。生まれた赤ちゃんに使用できる治療薬は国内販売はないのですが、熱帯病治療研究班の班員のいる病院で提供してもらえます。
サイトメガロウイルスに関しては妊娠中から、または生まれてすぐに異常に気づき、生後3週間までの間に新生児の尿検査(2018年保険適用)による確定診断を行えれば 、症状や赤ちゃんの状態にもよります が、抗ウイルス薬で感染した赤ちゃん の治療ができる可能性があります。
生 後1カ月までに投薬をスタートできれば 障がいの進行を止めたり、軽減させら れる可能性があります。この薬は生後1 カ月以降だと治療効果が定かではなく 使えないこともあるので、早期発見が とても大事です。難聴にも早期介入 で言語発達を促す必要があります。
知ってさえいれば手を打つことが何かしらはできる病気になってきました。だから知らなくても良い、知らない方が良いという病気では決してないのです!知らないでいて、いざ我が子がなった時、手遅れになったら一生後悔します。
そもそもトキソプラズマやサイトメガロウイルスにかからなければ良いわけで、予防することが一番大事です。この予防法こそ、最も世間に知って欲しいことなのです。というのも妊婦だけが気をつけても周囲の協力がないと予防は難しいものだからです。だから母子感染症は「関係ない人はいない」のです。
もしあなたが「生肉にはトキソプラズマが含まれている可能性がある」ということを「知らなかった」 ら、あなたの周りの妊婦にレアステーキを勧めたり食べさせたりて、お腹の中にいる大事な赤ちゃんに胎内感染させる可能性があるかもしれません。
もしあなたが「乳幼児の唾液や尿にはCMVが多く排出されている可能性がある」ことを「 知らなかった」なら「上の子の離乳食の食べ残し、もったいないから食べなよ !」「自分の子のおしっこなんか汚くないし、オムツ替えのたびに神経質に手洗いしていたら手荒れするよ!」と言ってしまうかもしれません。
無知によるアドバイスは結構あって、大抵は「我慢するストレスの方が悪い」とか「神経質になりすぎ」とか「食べ過ぎなきゃ良い」とか「一回くらい少しなら良いでしょ」という言葉で現れます。誰もが「加害者」になり得るというのは、こういうことなのです。
友達や義母などに妊婦さんが言われると、つっぱねることもできず、そうせざるを得ないシーンもでてくるかもしれません。
そうならないように妊婦もそうじゃない人も、知識を持たなくてはならないのです。社会皆で「生まれてくる命」を守らなければならないのです。
実はすでに「生まれた命」つまり先天感染児を守るためにも知識は必要ということも知ってください。
「先天性」や「感染症」という名前がついているだけで、役所や園側が「何が起きるかわからない」と子どもの幼稚園や保育園の入園を拒否するケースがあります。正しくこの病気が知られていない、理解されていないが故に起きる現実です。
実例として…健康な園児たちの多くが普通にサイトメガロウイルスを唾液や尿に排泄しているのに、先天性サイトメガロウイルス感染症の子どもやその母親を特別視し差別する事例が複数起きています。先天性◯◯感染症と聞くと得体の知れない恐怖を感じるようです。
こんな差別から感染児をまもるためにもやはり世間への周知が大事です。皆が知っていれば起きない悲しみを減らしたいのです。
だから、知識を広げることが、母子感染症予防啓発が必要であり、そのために手を替え品を替えして、トーチの会は活動してきました。
ホームページ、パンフレット、ポスターをつくったり、講演したり、ブースを出したり、陳情したり、取材を受けたり、本を出してみたり、マンガに出していただいたり…でも妊婦に対するアルコールやタバコみたいに「日本人の常識」になってるとは全然言えず、常識からは程遠い状況です。
常識にするには、大人以外にも働きかける必要もありそうです。
できれば妊娠前、本当は妊娠も結婚も意識しない学生のうちに、性教育とセットで母子感染の存在を学んで欲しいところです。
もっと前の時点でうっすらとで良いので母体から赤ちゃんにうつる病気がある、くらいは知って欲しいです。
どんなきっかけでも良いので、何かしら記憶にひっかかるものを作りたい…
そこで今回は絵本という、今までまだ手をつけていない啓発ツールを作ることにしたのです。
なぜこの絵本を出版する必要があるのか…という質問には一言で答えられないのは、こういったこれまでの流れがあるからです。
長々とお付き合いくだり、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
こんな気持ちがこもった絵本なのです。
どうしても出版したいのです!
支援しようか悩んでいる方、トーチの会の活動を支援するのではなくて、「これから生まれてくる命を守るため」「すでに生まれた母子感染症の子どもを偏見から守るため」に支援するのだ、と考えてください。
重ねて、皆さま、お願いします。
知識の種を蒔くために、未来の命と、今ある命、両方をまもるために、絵本出版にご支援お願いします!
すでに支援くださってるかたもアップグレードや自身の言葉での周囲への紹介をお願いします!