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台湾発、中高年レズビアン17名の多彩な青春
『おばあちゃんのガールフレンド』を翻訳出版したい!

『おばあちゃんのガールフレンド』をChosen Family Shobara(CFS)に置きたい!

こんにちは。発起人の橋本恭子です。
本日は、人口3万人あまりの地方都市で、「セクシャルマイノリティの人たちの居場所作り」に孤軍奮闘しておられる奥田圭さんからの応援メッセージをご紹介します。小さな町に初めてレインボーフラッグが掲げられたエピソードには胸がいっぱいになりました。ぜひご覧ください。
 


『おばあちゃんのガールフレンド』をChosen Family Shobara(CFS)に置きたい! 

 私はある地方都市(と言っても人口3万人余りの本当に田舎の小さな町)に住まう高齢トランスジェンダー女性。一昨年(2020年12月)に介護の為に実家に戻りました。それから今日までこの田舎町に住んでいますが、その間いわゆるセクシャルマイノリティ、LGBTQ+の人には1度もお会いしていません。いないの?私以外1人もいないの?…そんな訳ないですよね。電通の調査を信頼するならば、この町にも3000人程のセクシャルマイノリティが存在しているはずです。でも1人も出会ってないし、そんな話しも殆ど聞いた事がありません。

 理由を考えました。やはり田舎独特の社会規範が強烈で、名乗れない、自分を隠して、自分を偽って生きていかざるを得ないんじゃないかな…そんな風に考えていました。 ところで私は長年希死念慮に取り憑かれて苦しんでいます。この春もある出来事があって、その思いはかつてないほど強まっていました。そんな時、今年の6月のプライド月間に、私がいつもお世話になっているコスメショップさんと、その経営母体である地方百貨店にレインボーフラッグが掲げられました。この町の歴史始まって以来初めてのレインボーフラッグが。

 私がそれまでの1年間、セクシャルマイノリティの事やフェミニズムについてお話ししてきた事が結実した瞬間でした。 私はその光景を見た時に泣いてしまいました。メイクが崩れて困りましたけど。 そこから私の希死念慮はとても軽くなりました。そして 「私以外にもこのフラッグに励まされる人がこの町にもいるはずだ!」 との思いが強まりました。
そこで初めに感じていた「隠して、自分を偽って生きざるを得ない人たち」の存在と、この思い「レインボーフラッグで励まされる人たちがいるはずだ」が繋がったのです。 私の次の生きる目的の見つかるきっかけです。

 私は今、その思いを現実のものとする為に、介護の傍ら活動しています。 具体化してきたその活動は「セクシャルマイノリティの人たちの居場所作り」です。そこに来れば自分を隠さなくて良い、自分を偽らなくて良い場所。その実現に向けて活動しています。名称も場所も決まりました。 【Chosen Family Shobara(CFS)】 と言います。そして今その場所に置くための書籍を集めています。LGBTQI+関連からフェミニズムに関する書籍を中心に。 そんな時にある本のクラウドファンディングに出会いました。その本のタイトルは 『おばあちゃんのガールフレンド』 一風変わったタイトル。それは台湾の高齢レズビアンの方たち(17人)へのインタビューを中心に編集された本で、それを邦訳して出版するプロジェクトのクラウドファンディングです。(「おばあちゃん」は台湾では高齢の女性に対する一般的な、好意と敬意を持って使われる言葉のようですね) ここで私の思いと交差するワードが現れます。それは「高齢」と言うワード。私も既に還暦をとおに過ぎた高齢トランスジェンダー女性です。将来に対する不安は日に日に高まります。深まります。それはレズビアンの人たちも同じはずだと思いました。

 将来に対する不安と、これまでの人生で自分を隠さざるを得なかった、偽って生きざるを得なかった、言葉では言い表せない思い。そしてそれは今の若い世代の人たちにもいずれ訪れる問題です。 私はこの『おばあちゃんのガールフレンド』が日本語で出版される意義をそこに見出します。きっと私たち高齢のセクシャルマイノリティの人たちを励ましてくれるだろうし、それはやがてみんなに訪れる事に対する1つの指標になるだろうと思いました。そしてそれを【Chosen Family Shobara(CFS)】に置くことで1人でも多くの人に読むチャンスを提供したいと思っています。

 長文になってしまいましたが、私がこの『おばあちゃんのガールフレンド』の邦訳出版のクラウドファンディングが成功して欲しい理由を書いてきました。
そしてそれは多くのセクシャルマイノリティの人たちを励まし救う事に繋がると確信しています。 皆さんのご支援を引き続きよろしくお願い致します。
 

奥田圭 
【Chosen Family Shobara】代表
トランスジェンダー女性 地方でも田舎でも、自分を隠さなくても良い場所、自分を偽らなくても良い場所の提供を目指して活動中。

 

2022/09/15 10:46