こんにちは、サウザンコミックス編集部です。
9月16日(月)から始まったサウザンコミックス第6弾デイヴィッド・マッズケリ『アステリオス・ポリプ』翻訳出版クラウドファンディングも開始から一ヶ月ほどが経ちました。現在210人の方にご支援いただき、達成率33%に到達しています。ご支援くださった皆さん、ありがとうございます。この世界的名作を日本で出版すべく頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。発起人の矢倉喬士さんとはせがわなおさん、サウザンコミックス編集主幹の原正人、そしてサウザンブックス社が定期的にSNSで情報発信をしておりますので、よかったらぜひ拡散にご協力ください。
さて、もうずいぶん前のような気もしますが、クラファンが始まった9月16日(金)とその翌日の9月17日(土)に、クラファン開始記念ということで、大阪でイベントを開催しました。第1弾の『レベティコ―雑草の歌』のクラファンが終わってすぐくらいにコロナ禍になってしまったこともあって、開始早々にリアルのイベントを行うというのは、サウザンコミックスでは初の試みとなります。今回はそのレポートをお届けします。
その前に、11月1日(火)の20時から『アステリオス・ポリプ』翻訳出版クラファンのオンラインイベントを開催することになりました。発起人の矢倉喬士さんとはせがわなおさんにご出演いただき、クラファンを行うことになった経緯や本書の魅力についてたっぷり語っていただきます。どんな作品なのかまだいまいちよくわからないという方も多いのではないかと思いますが、作品の中もたっぷりお見せしますので、よかったらぜひご参加ください!
発起人が語る至高のグラフィックノベル『アステリオス・ポリプ』の魅力
日時:11月1日(火)20時~22時
出演:矢倉喬士(『アステリオス・ポリプ』翻訳出版プロジェクト発起人)
はせがわなお(『アステリオス・ポリプ』翻訳出版プロジェクト発起人)
進行:原正人(サウザンコミックス編集主幹)
会場:Zoomによるオンライン開催
参加費:無料
お申し込み方法:参加ご希望の方は、
サウザンブックス(info@thousandsofbooks.jp )までメールにてお申し込みください。
それでは、以下、大阪でのイベントのレポートです。
初日の9月16日(金)は、大阪アメリカ村の海外漫画カフェバーCROSSOVERさんで、本プロジェクト発起人の矢倉喬士さんとサウザンコミックス編集主幹・原正人のトークイベントを行いました。『アステリオス・ポリプ』の内容紹介はもちろん、作者デイヴィッド・マッズケリの他の作品の紹介、サウザンコミックスの既刊や発起人の矢倉さんが注目しているグラフィックノベル、果てはどうやって翻訳者になるかという話題まで、2時間ほどにわたって、いろいろとおしゃべりしました。
矢倉さん(右)と原(左)
当日は矢倉さんと原とでいろいろ海外マンガを持ち寄ったのですが、ずらっと並んださまざまな作品の中で『アステリオス・ポリプ』はひときわ存在感を放っていました。『アステリオス・ポリプ』には何よりもまずオブジェとしての魅力があります。今のところ、英語の原書か、フランス語版や韓国語版などの翻訳版でしかこの作品を楽しめないのですが、ぜひ今回のクラファンを成立させて、皆さんには日本語版でお楽しみいただきたいです。
矢倉さんと原が持参した海外マンガの数々
もちろん『アステリオス・ポリプ』は、その内容もとても魅力的です。本書の概要についてはトップページの矢倉さんの紹介文をご覧ください。また、もうひとりの発起人はせがわなおさんが、「マンバ通信」で、本書を紹介する文章を書いてくださっています。よかったらぜひそちらもお読みください。はせがわさんはつい最近、もうひとつ『アステリオス・ポリプ』の登場人物に焦点を当てた記事も書いていて、そちらも必読です。おそらく今後、活動報告を通じて、作品の一部を翻訳してご紹介することもできるのではないかと思います。
参加者の皆さんに『アステリオス・ポリプ』の魅力を語る矢倉さん
続いて翌9月17日(土)には、大阪谷町六丁目の海外マンガのブックカフェ書肆喫茶moriさんで、矢倉喬士さんによる「アステリオス・ポリプ特別公開講座」が開かれました。矢倉さんはこれまで大学で何年も『アステリオス・ポリプ』を題材にした講義を行ってこられたとのこと。今回はその蓄積を活かした2時間の講義を2回行っていただきました。
矢倉さんの話に熱心に耳を傾ける参加者の皆さん
講義の内容は、まずは作者のデイヴィッド・マッズケリと彼の代表作『アステリオス・ポリプ』を紹介し、それから『アステリオス・ポリプ』のいくつかの箇所を実際に訳しながら、この作品の魅力に迫るというもの。結果的に海外マンガを日本語に翻訳するとはどういう作業なのかということを考えることになります。
矢倉さんが用意してくれたテキスト。参加者の皆さんには設問に即して、その場で翻訳に挑戦していただきました
数年がかりで制作されたというだけあって、本書『アステリオス・ポリプ』は隅々にまで作者の意思が行き届いています。自分で翻訳するつもりになって実際に原文を読み解いてみると、その構成の緻密さと、細かな配慮の数々に驚かされます。英語がある程度読めれば、もちろん本書を通読することは全然可能なのですが、絵、コマ、言葉、作品全体に込められた作者の意図をきちんと読み解くのは並大抵のことではありません。数年かけて本書をじっくり読んできた矢倉さんの講義は、その作者の意図をひとつひとつ解きほぐしてくれるとても貴重なものでした。 クラウドファンディングのコースの中には、矢倉さんが専門家の方々と本書をじっくり解説してくれる全6回のオンライン講義もあります。そのコースについては、矢倉さんが書いてくれたこちらの記事をぜひお読みください。『アステリオス・ポリプ』というひとつの作品を、6人の専門家とともに読み解く超豪華な講義で、この傑作を隅から隅まで楽しみたい方にぜひオススメしたいコースです。
プロジェクトの成立目指して、この作品の魅力がひとりでも多くの方に伝わるよう、今後もさまざまな活動をしていきたいと思います。引き続きご支援・応援よろしくお願いします。