このクラウドファンディングで蒔かれた希望の種は、プロジェクトによってあたためられ大きくなり、100%達成後も賛同者一人ひとりをエンパワーしていくのではないでしょうか。
私は、医療機関や児童相談所での心理職を経て、現在、公立学校でのスクールカウンセラーを主な仕事としています。日々新しい課題に向き合っている現状ですが、事後対応だけではなく、学校だからこそストレスマネジメント教育やソーシャルスキルトレーニングなど子どもたちの育ちを支えるための予防・開発的取り組みを通常業務の中で工夫することが可能だと感じています。また、危険で心配な行動も含め、さまざまな表れで示されるSOSをきちんと受け止め対応する大人側の点検の大切さについて、ケース会議や研修会で共有する機会を持つことのできる現場でもあります。
勤務校での活動以外に、痛ましい緊急支援事案発生時には県からの依頼に応じて現場に赴き、中・長期の見通しを持って仲間たちと初期対応に従事する、ということも私たちの重要な任務です。
緊張や傷つきの大きな現場で適切な支援が提供できるよう、ふだんからの関係機関との連携を大事にしておくことや、情報のアップデートやスキルアップし合えるための研修の場を作っておく、ということが欠かせません。学校現場に限らず、支援者が疲弊してしまわないためのシステム構築は急務だと実感しています。
ターラの夢を叶えるプロジェクトの賛同者は日毎に増え、私も参加させていただいた作戦会議や賛同者企画の各種オンラインイベントは、興味深い学びや新しいヒントの得られる楽しい集まりでした。
『ターラの夢見た家族生活』の日本語版が発行された暁には…
・まずは、ターラちゃんとエデュケーターのやり取りや距離感を味わいたい
・勤務中学校や高校の相談室に置き、生徒や保護者たちにもエデュケーターPAVOさんの眼差しに出会ってほしい
・たくさんの仲間たちと、「子どもがまんなか」「家族まるごと」を大切にして連携の隙間から取りこぼしてしまうことのない支援について語り合いたい
・親子支援に関する勉強会、講座などで教材として利用したい
・近いうちに、原画展および関連のシンポジウムやワークショップが開催できると有り難い
・近いうちに、今回のプロジェクトで出会った仲間たちで親子支援に関する日本とフランスの交流会を開催し、日本でのさらなる充実に向けた導入可能性を探るディスカッションを継続していけると有り難い… などなど…
こんなことを考えては、わくわくしています。
「情熱の架け橋」安發さんの心と体をくぐった日本語で届けられる翻訳版。大いに期待しています。「子どもがまんなか」「家族まるごと」をチームで考え実践しながら、支援者自らが支えられている感覚を持てる環境づくりに向けても取り組みたいと考える日々です。
石川令子
静岡県スクールカウンセラー/スーパーバイザー
沼津市青少年教育センター 臨床心理士
静岡大学 留学生カウンセラー
(臨床心理士/公認心理師)
本日(3/31)開催のイベント、お申し込み締め切りのイベントのお知らせも御覧ください。
https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/6908/activities/27993