こんにちは! 発起人の横山和江です。
『ジュリアンはマーメイド』のクラウドファンディングで応援コメントを寄せてくださった児童文学作家、ひこ田中さんから『ジュリアンとウエディング』に応援コメントをいただきました!
『ジュリアンはマーメイド』で心の自由を得たジュリアン。今回は結婚式でフラワーボーイを務めることになり、フラワーガールのマリソルと、結婚する二人が飼っている犬(フラワードッグ?)のグロリアに出会います。マリソルは裾にレース飾りが付いたドレスを着ていて、頭にはツバを後ろした野球帽を被っています。だけど、結婚式ってことで、彼女のおばあちゃんによって、野球帽は赤い花の冠に変えられます。裾が広がったかわいいスーツにキュロットを履いたジュリアンも、ジュリアンのおばあちゃんによって赤い棒ネクタイをさせられます。楽しいけれど、結婚式はちょっと堅苦しい?
退屈な大人のパーティから抜け出した二人と一匹。マリソルはさっそく赤い花の冠を脱いで、ジュリアンの頭に被せてあげます。とってもうれしいジュリアン。次はマリソルが自分らしさを取り戻す番ですが、その展開は、ぜひ読んで下さい。子ども(と犬)は、大人たちのセレモニーから、やすやすと脱出し、自分たちだけで遊ぶんです。そしてどうなるか? このシーンは読んでいて本当に楽しいです。
『ジュリアンはマーメイド』が、ジュリアンが自分を発見する物語だとすれば、『ジュリアンとウエディング』は、子ども読者に自由の心地よさを届ける物語であり、大人読者に、それを思い出させる物語です。(ひこ・田中)
ひこ・田中(1953年 -)
児童文学作家。『お引越し』で椋鳩十児童文学賞受賞。同作が相米慎二監督により映画化される。『ごめん』で産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作は冨樫森の手で映画化された。『なりたて中学生』で児童文学者協会賞受賞。2023年発表の『あした、弁当を作る。』は、親の愛情による支配から逃れようとする中学生を描き話題となった。