わたしが持ち込んだ絵本2作の編集を担当してくださったベテラン編集者、細江幸世さまから応援メッセージをいただきました!(横山和江)
翻訳本は、何をいつ刊行するかが大切です。横山さんのセレクトする本は、なぜ今この本を刊行するのか、という視点が明確で、本によって時代の姿を提示し、読者の未知を開き、共に生きる現在をより居心地の良いところにしていこう、という意思が感じられます。今回の『ジュリアンとウェディング』にも自分の“好き”を大切に、友情を育む二人が描かれ、それを見守る大人の姿も示唆に富んでいますね。何より、二人で生きていくと誓う姿を寿ぐみんなが誇らしげなのが素敵。
『ジュリアンはマーメイド』の取り組みから5年後、また、この続編のために横山さんがクラウドファンディングに挑戦してくださることに、敬意を表したいと思います。今の日本の出版環境の中で、続編が他の版元で刊行されることは、まずあり得ません。円安で翻訳の企画自体が通りにくくなり、ますます翻訳本が刊行される機会は減っていくことでしょう。日本語でこの絵本を子どもたちと楽しむには、このチャレンジの成功が不可欠なのです。
『ジュリアンとウェディング』という言葉少なで、美しい絵本を子どもたちと一緒に楽しみ、絵からあふれだす言葉に耳をすませ、語り合いたいと思いませんか? ぜひ、このチャレンジを応援してください。(細江幸世)
細江幸世(ほそえさちよ)
出版社勤務を経てフリー編集者、ライター。白百合女子大学他で非常勤講師を務め、司書や図書ボランティアの研修、絵本の書評なども手がける。ケニアの子ども図書館を運営する「アフリカ子どもの本プロジェクト」でも活動。横山和江さんの翻訳絵本、コロナ下の人々の暮らしの変化を捉えた『いえのなかといえのそとで』(あかつき教育図書)や、バイクで世界一周をした初めての女性を描く『世界はこんなに美しい』(工学図書)の編集をした。