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一橋大学アウティング事件を風化させない
関係者たちの声をまとめた本を出版したい!

本書執筆者のひとり、プライドブリッジ副会長の川口遼さんのメッセージ

「同性愛だと暴露された」転落死した一橋法科大学院生の両親、同級生を提訴

新宿での友人との待ち合わせに向かう電車の中で、何気なしにいじっていたスマホの画面に表示されたネットニュース。一瞬、「あっ」と声をあげ、貪るように記事を読み進めたことを覚えています。彼が亡くなってから1年後、2016年8月のことです。勇気あるご遺族が訴訟を提起されたこと、そして心ある記者の皆さんが記事にしてくれたからこそ、私は彼と出会うことができました。生前の彼と友人だったら何ができただろうか。自分の教え子だったとしたらどうしただろうか。差別や偏見をそう名指すことすら時に困難なこの社会で、それでものうのうと生きている自分に一体、何が出来るのか。彼との出会いを通じて私は様々なことを考え、色々な人と出会い、多くの会話をしてきました。本書を通じて皆さんにも彼と出会っていただけると嬉しいです。その出会いは、「彼が生きたかもしれない世の中」に近づく一歩になると信じています。

川口遼(プライドブリッジ副会長/名古屋大学ジェンダー・ダイバーシティセンター客員研究員)

2024/06/10 11:28