私たちは理美容室を自由に選べます。急いでるときは短い時間でやってくれるお店、疲れていてリラックスしたいときは丁寧に長い時間でやってくれるお店・・・と。
同じ理美容サービスをお客様に提供することは変わりないはずなのに、「訪問理美容」となると違いが出てきます。
今現在の訪問理美容の業者はたくさんありますが、短時間で最低限のサービスを提供するところがほとんど・・というのが現状です。
実際にお客様の元に伺うと「来てくれるだけでありがたい」というお声を聞きますし、「家でやるのだから設備が簡素なものでもしかたない」と思っていらっしゃるお客様がほとんどです。
しかしそれはあきらめや遠慮という気持ちから来たご意見ではないでしょうか?
私たちは、病気や障害、高齢化などで外出困難な方たちの元に伺い、ご自宅などを理美容室に変身させ、安全性を重視した理美容室よりも質の高いサービスを提供し、訪問理美容を必要としている方々の選択肢を広げたいと強く思い、最高のリラクゼーションとおもてなしを提供する「訪問理美容 まる 」という会社を立ち上げたいと強く思いました。
その為にはお客様が心身の負担なく施術可能なシャンプー設備、ただ髪を切るというだけでなく、心身のリラクゼーションを感じて頂くための機材が必要です。
それらを購入するための設備費80万円をご支援頂きたいと思っています。
ご自宅にお伺いしたら理美容機材のセッティングを行います。このとき、できる限り理美容室の空間を味わって戴きたいという思いから、季節のお花での装飾やリラクゼーションミュージックをかけるなどのサービスもさせて戴きます。
初めに、この仕事を始めたキッカケからお話しさせてください。
8年前、祖母が脳梗塞で倒れ半身麻痺になりました。朝起きたら必ずお化粧をし、オシャレを楽しみ、日々活動的に動いていた祖母とは思えないくらいの変わりよう・・・。
一人暮らしが困難となり、介護施設へ入所をしました。
その頃の私にとって介護施設は正直言って無縁の世界・・・見るもの全てが初めてのことばかりだったのを今でもハッキリと覚えています。
私は東京、祖母は青森と離れていたため、頻繁には出来なかったけど行ったときは髪を切ってあげました。
祖母が「わいは~!!」(わぁ~驚いたという意味の津軽弁)と言い、笑顔になって喜んでくれた事は今も忘れられません。
その時に、ふと「ここで生活してる方々は髪の毛をどうしているんだろう?」と疑問に思ったのです。
その疑問から訪問理容美容という世界に出会い、今に繋がっています。私がこの仕事につけたことは今は亡き祖母が与えてくれたと思い、感謝しています。
その後、訪問理美容専門の会社に勤め、たくさんのお客様に出会い、たくさんの「ありがとう」を頂きました。
認知症により、コミュニケーションが困難なお客様がカット後に笑顔で「ありがとう」と言って下さったこと。
車椅子生活になり、以前の自分には戻れないと落ち込んでいたお客様が「嬉しい、生き返ったわ!」と涙を浮かべて「ありがとう」と言って下さったこと。
精神疾患を抱えた娘様をお持ちのお母様が、「娘が来てくれる事をいつも楽しみにしてます。前よりも明るくなったんです。」と嬉しそうな笑顔で「ありがとう」と言って下さったこと。
ここではお伝えしきれないほどの「ありがとう」の重みを感じてきました。
理美容を通じてたくさんの方々に喜びや感動を与えることが出来る!と信じています。
しかし、今の訪問理美容の現状はまだまだ設備や対応が追い付いていないように感じます。
介護施設の中には備え付けの理美容室があり以前より設備が充実してきていますが、ご自宅で生活されている方々には良い設備も無く、環境も整っておりませんし、理美容サービスの選択肢もまだまだ狭いです。
様々な理由で外出困難な方は大勢いらっしゃいます。
日本国内でも高齢者の割合がおよそ26.7%、障がいを持っている方の割合がおよそ6%となり、その中の多くが何らかの不自由さのなかで生活をされています。
外出が出来ないことにより、通常の「床屋に行ってさっぱりと気分転換ができた」「美容院でリラックスできた」という経験を知らない方もいらっしゃいます。
オシャレをすることが何よりも楽しみだったのに、脚が悪くなって美容院に行けなくなってしまった。
病気で外に出られないから、オシャレはもうあきらめよう。
そう思って我慢している方も大勢いらっしゃいます。
通常の理美容室で使用されているシャンプー設備は自由に動ける私達にとっては快適ですが、病気や高齢で身体が不自由なお客様は大変な事が多いです。
まず、座面から床までが高く最初から深く座れない、足元に大きな出っ張りがあるためつまずきやすい、肘掛の取り外しが出来ない為に車椅子からの移動が困難で、立ち上がる際、椅子の出っ張りで膝より後ろにかかとを動かせないため立ち上がりにくいなどの理由で安全性を保てない可能性があります。なにより、訪問サービス用に作られていないため、機材自体をその都度取り外し動かすということは不可能なのです。
今の居宅訪問サービスでは、お客様自身の車椅子や、持ち運びが安易なアウトドア用の椅子などが使用されています。お客様の負担を極力減らすために車椅子やベッドからの移動は極力減らすことも必要ですが、気持ちいいシャンプー、本格的な理美容サービスを受けたいというお客様にとっては不十分な状態です。
重くて移動不可 座ることが困難なお客様には危険
軽くてコンパクトなため持ち運びには適しているが、簡易的すぎる為、安全性にも不安あり
市販されている移動式シャンプー台です。重量があり、簡易式ポンプでお湯を吸い上げる為、水圧が足りないです。
様々な事情を抱えている方にも、頭を洗ってもらっている時のあの気持ちよさを感じて頂きたい!!
その為には、水圧のしっかり出るシャワーが付いたシャンプー台と、様々な身体的特徴に配慮した安全性の高い、持ち運び可能なシャンプー用の椅子が必要です。
市販されている移動式シャンプー台です。重量があることと、簡易式ポンプでお湯を吸い上げる為、水圧が足りないことなどの改良が欲しいです。
移動式シャンプー台設計図
訪問用のシャンプー機材はいくつか作られ、販売もされるようになってきました。
しかし、訪問施術者の持ち運び利便性やお客様が使用した時の快適性などは、まだまだ大幅な改良が必要で、満足できる商品はありません。美容室使用の機材はますます進化し、快適性が求められているにもかかわらず、かたや訪問となると機材のクオリティがぐっと落ちてしまいます。
どうしてもこの機能は欲しいというアイデアが入ったシャンプー機材は、一から作っていくか、市販のものを改良する必要があります。
訪問理美容師、お客様双方の満足のいく機材を手に入れる為には私達の力だけでは達成できない。
このことから、理美容室以上のサービスをお客様にお届けする為のご支援を頂きたいと思っています。
現在、多様化という言葉をよく耳にするようになりました。ハンディキャップが有る、無しに関わらず、多くの人々が良いサービスを選べる時代が近付いてきています。
訪問理美容を必要としている方々に”理美容室以上のサービス” 喜び、安らぎを届けたい。
”まる”の由来は、たくさんの方との「縁」を広げて「まるく」繋げていくことを大切にしていきたいという思いからきています。
私たち”まる”もサービスを提供する者として一人でも多くのお客様の満足感を高めていけるように努力してまいります。