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久恒啓一『図解コミュニケーション全集』・第一巻

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●企画趣旨


 「文章地獄と箇条書き信仰」に侵されたあらゆる組織の現場では誤解と曲解が入り混じったコミュケーション不全の状態にあります。
 書き手・読み手双方ともにごまかしのきく文章と、大小・重なり・関係の不明な箇条書きによるコミュニケーションスタイルには限界があります。私はコミュニケーションロスによって3割ほどの生産性を犠牲にしているのではないかと考えています。
 それを「全体の構造と部分同士の関係」をあらわすことができる「図解」を使ったコミュニケーションで打破しようとするのは一種の革命です。コミュニケーション革命です。
 あらゆる組織に必要な「経営」(マネジメント)にはインフラと情報が必要であり、それは道路と車の関係です。上下左右の高速道路の整備と走る車の性能の向上が組織運営のカギとなります。文章コミュニケーションは上司という信号機の妨害があり、時速30キロ経営となっています。図解コミュニケーションはいわばETCを装備して走るのと同じですから時速100キロ経営が可能になります。
 たとえば、教育分野の国語算数理科社会英語という主要5科目も、図解コミュニケーションによて一変します。読解力と作文力で構成される国語には図解が有効であり、数学の文章問題などは図を描いて解くでしょう。理科は図と式で構成されており、因果関係を主とする社会は図で説明することによって理解の視界が開けます。
 そして英語も、英作文に悩むことなく、図の中のキーワードを外国語に変換するだけで世界の人たちが分かり合えるのです。
また、ビジネス現場でもプレゼンテーションや企画には図解は欠かせません。
 従来のコミュニケーションの基本ソフトは文章でした。ここに新しい基本ソフトとして図解コミュニケーションを用いることによって、アプリケーションとしての様々な分野に革命が起こるはずです。図解は新しいOSです。
 1990年の最初の単行本の刊行以来、30年の間に、さまざまの分野に首をつっこみ、メディア界からの注文を必死でこなしているうちに、気がつくと「図解コミュニケーション」の世界は自然に体系化されてきました。
 そして100冊近い著書も現在では手に入りにくくなっており、いっそ「全集」を刊行して、いつでも手に入るようにしようと決意するにいたりました。全集の出版となると、出版社の問題、金銭的負担などの問題もあり、クラウドファンディングというやり方で、第一巻の制作に挑戦することにいたしました。皆さんのご協力をぜひお願いしたいと想います。

                                     久恒啓一
 


第一巻のタイトルと概要
 原論編「図解コミュニケーション原論」


 1990年発刊の 「コミュニケーションのための図解の技術」(日本実業出版社)は、ビジネスにおける「文章と箇条書きによるコミュニケーションの欠陥」を克服しようと「図解コミュニケーション」という言葉を初めて使った単行本第一作です。2002年発刊の「図で考える人は仕事ができる」(日本経済新聞社)は、日本人に蔓延する病である「考える力の欠如」をどう解決するかというテーマに挑み、図解ブームをまき起こした書です。2005年発刊の「合意術ーー深堀型問題解決のすすめ」(日本経済新聞社)は、産業界、官界、学界、言論界など日本全体の課題である「社会的合意形成の方法論の欠如」に図解コミュニケーションで立ち向かった書です。
 以上、第一巻は「図解コミュニケーション」史上のエポックを演じた3冊の書で構成されます。
 


●全集内容
全十巻、A5版、平均600頁。市販予定価格1冊3000円

第一巻 内容 原論編 「図解コミュニケーション原論」
第二巻 内容 技術編 「図解コミュニケーションの技術」
第三巻 内容 実践編 「よむ・考える・かく」
第四巻 内容 展開編1「ワークデザイン(仕事論)」
第五巻 内容 展開編2「キャリアデザイン(キャリア戦略)」
第六巻 内容 展開編3「ライフデザイン(人生戦略)」
第七巻 内容 応用編1「世界の名著」
第八巻 内容 応用編2「ビジネス理論」
第九巻 内容 応用編3「日本探検」
第十巻 内容 応用編4「ウェブ時代をゆく」


●久恒啓一の経歴


 1950年大分県生まれ。九州大学法学部卒業。1973年日本航空株式会社入社、広報課長、サービス委員会事務局次長を歴任。ビジネスマン時代から「知的生産の技術」研究会(現在はNPO法人)に所属し著作活動も展開。早期退職し、1997年新設の宮城大学教授(事業構想学部)に就任。2002年に日本経済新聞社から出した「図で考える人は仕事ができる」がベストセラーに。2004年度より中国・吉林大学客員教授。2008年度より多摩大学教授。2012年度より経営情報学部長。2015年度より多摩大学副学長。2019年度より現職。NPO法人知的生産の技術研究会理事長。

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◇なお、出版パーティは7月5日の予定です。首都圏で行います。会場が決まりましたら、ご案内いたします。

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