『綺譚花物語』クラファン発起人の黒木夏兒です。
本クラファンは無事に成功、667名の支援者様を得て、達成率126%にまで到達しました。一目惚れしたこの漫画を日本語にして、読みたいとおっしゃってくださった全ての方々のお手元にお届けすることができます! 本当に本当にありがとうございます!
スタートダッシュでかなりの域にまで速やかに達したものの、その後がじわりじわりと伸びつつも伸び悩み、残り日数と残りパーセンテージが同じになり、さらに残りパーセンテージ÷残り日数が徐々に2に近付いていくうちに「ひょっっっとしてこれ、70%超えてんのに成立しなかった初めての例とかになるんじゃ??」と超絶不安になってついには新月の参拝日に神頼みに行った、その週末からの凄まじいラストスパート!映画『ぼくらのウォーゲーム!』や『サマーウォーズ』のクライマックスを、『デュラララ!!』の池袋の路上を埋め尽くし広がっていく無数の携帯画面の光を、リアルで目の当たりにしている気分でした!
そして達成から最終日までの一週間もじわじわと伸び続け、最終日には多くの駆け込みご参加の他、マイページ確認の注意喚起も多くの人が発信してくださって、支援者667名、達成率126%で、終了の瞬間を迎えることができました。
ご参加くださったのみならず、クラファンのリンクを幾度も拡散してくださったり、私の発信をリツイートしてくださった方々も本当に大勢いらっしゃって、どれだけ感謝してもし足りません! そしてそうやって応援してくださった667名という膨大な数の皆様に、この漫画を日本語にしてお届けするという形できちんと恩返しができることが、とてもとても嬉しいです!
19年7月にCCC創作集の編集さんたちがよしながふみさんのインタビューのために来日した際、通訳者を紹介した関係でお土産に頂いた一冊の雑誌「CCC創作集」。
そこに掲載されていたのが『綺譚花物語』第二話の『昨夜閑潭夢落花』後編でした。
数日後には台湾へ再び旅立つというタイミングで出会ったこの漫画に、まさに心臓を引っ掴まれた。シリーズ全体どころか自分が今読んでいる作品の前編すら読めていない状態で、完全に恋に落ちてしまいました。CCCの編集さん宛に書いた「この作品に惚れたので翻訳して日本に紹介したいです! 7月最終日に台湾行くので8月にその件相談できますか?」という勢い込みまくったメッセージがスマホに残っています。
結局この時は、日本の出版社を経由しないオンラインでの同人誌形式での紹介しか私が提案できなかったこと、翻訳文を原稿に嵌め込むDTP作業の費用はどうするのかなど様々な問題があり実現しなかったのですが。
8月の台湾旅行では台湾漫画博覧会の会場でCCC創作集のバックナンバーがゲットでき、ようやく手にした『昨夜閑潭夢落花』前編をホテルのロビーで訳しながら(後編は朝一の飛行機待ちながら羽田で訳しました)、ますます「これは日本人が読むべき、読ませるべき名作だ! 絶対日本に紹介するべきだ!」という確信が強まりました。
さらにその後、年明けの選挙見学に行った台湾で第三話の掲載号三冊をゲットし、帰国後はコロナで次の台湾行きのめどすら立たない状態の中で最終話である第四作の掲載号「聖地巡礼特集号」を手にして、「早く台中に聖地巡礼に行きたいいい!」となり。
『綺譚花物語』の単行本は台湾で20年8月に出版。これは友達が購入して送ってくれました! そしてこの単行本出版情報を得てサウザンさんに「以前ちょこっとお話したこの台湾漫画がいよいよ台湾で本になるので、日本語版のクラファンやりたいです!」と連絡し、企画書を書くことになったのです。
その後、発売された単行本を友達が購入して日本に送ってくれたり、台湾文化センターで開催された「台湾漫画夜市」のパネル展示で『綺譚花物語』が紹介されたり、など色々あって、ようやく今年、クラファンが始動。そして達成し、日本でこの『綺譚花物語』を出版できることにいよいよなりました!
私は翻訳者デビューも一目惚れ作品で叶えることができた非常に幸運な翻訳者ですが、今回もデビュー時に勝るとも劣らない幸運に色々と恵まれて、この本が日本で出せることになりました。これは本当に、この作品『綺譚花物語』自体が備えている力のおかげだと思います。なので、この作品をこの世に産み出してくださった原作の楊双子さん、作画の星期一回収日さんにも改めてお礼を言いたいです。この作品を産み出してくださって、私をこの作品と出会わせてくださって、本当にありがとうございます。
さて、あとはいよいよ本造りです。
一目惚れ暴走作品の常で、訳はもう一通り出来ていて、今、ブラッシュアップを掛けています。そして、トータル82名の方からお申し込みをいただいた「聖地巡礼ガイドブック」。こちらの準備も着々と進めております! 出版が決まるまではとブレーキを掛けていた、あんな確認、こんな確認にも、いよいよ着手できるのが、実に嬉しいです!
本の完成をどうか楽しみにお待ちください。今後も随時、情報を発信してまいります!
黒木夏兒
皆さん、こんにちは! サウザンコミックス編集主幹の原です。
おかげさまでサウザンコミックス第1弾ダヴィッド・プリュドム『レベティコ―雑草の歌』、第2弾MK・サーウィック『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』、第3弾エティエンヌ・ダヴォドー『ワイン知らずマンガ知らず(仮)』に続き、第4弾『綺譚花物語』を翻訳出版できることが決まりました!
ご支援いただいた皆さん、本当にありがとうございました! 皆さんのご支援のおかげで、今回もまたすばらしい海外マンガをひとつ日本語にできる運びとなりました。
サウザンコミックスの目標は、商業出版ではなかなか難しい海外マンガの翻訳をクラウドファンディングで実現していくことですが、フランス語圏のマンガ“バンド・デシネ”や北米のコミックスに加え、今回ついにアジアのマンガをラインナップに加えることが叶いました。これでようやく「世界のマンガを翻訳出版するレーベル」だと胸を張って言うことができます。
サウザンコミックスの挑戦はこれからもまだまだ続いていきます。クラウドファンディングを通じて、皆さんと一緒に、商業出版の枠組ではなかなか翻訳出版できない、でも日本で出す意義のある優れた世界のマンガを翻訳出版していきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
サウザンコミックス編集主幹
原正人