こんにちは、サウザンコミックス編集部です。
去る11月10日(木)の夜に、クラウドファンディングでイベントコースを申し込みいただいた方を対象に、原作:楊双子、作画:星期一回収日『綺譚花物語』(黒木夏兒訳、サウザンブックス社)の出版記念イベントを開催しました。本作はサウザンコミックス第4弾として、まずはクラウドファンディングの支援者の皆さんにお送りしたのち、今年2022年10月からは全国書店で一般発売されています。
今回のイベントには、なんと台湾から作者の楊双子さんと星期一回収日さんが参加してくださいました。おふたりともとても気さくな方で、終始和やかな雰囲気の楽しい会になりました。
原作の楊双子さん(右上)と作画の星期一回収日さん(下)。左上は進行役を務めたサウザンコミックス編集主幹の原
冒頭、日本語版を手にとった感想や、これまで親しんでこられた日本のマンガ・アニメ・小説などについてお話をうかがったのち、『綺譚花物語』についてさまざまな質問をさせていただきました。
以下、おふたりにうかがった質問の一例です。
三叔公も、英⼦と同じく陰陽眼である可能性があると思うのですが、三叔公は実は全てわかっていて、詠恩と英⼦が⼀つ屋根の下で過ごせるように取り計らったのでしょうか?
『綺譚花物語』の最初の章「地上にて永遠に」より
「乙女の祈り」はシリーズ四作中で最も残酷な終わりであり、茉莉にとっては⽔⿅によるわかりやすい呪いよりもひどい報復にも⾒えます。⽔⿅による真の報復は、実は荷⾈の気持ち「茉莉はあくまで友達であって、茉莉が自分に恋をしているとは想像すらしていない」ということが茉莉に対して明らかになるようにすることなのでしょうか?
『綺譚花物語』のふたつめの章「乙女の祈り」より
作品の理解を深めるような、かゆいところに手の届く質問を作成してくれたのは、もちろん翻訳を手がけた黒木夏兒さんです。これらの質問に対する楊双子さんと星期一回収日さんのお返事を聞いて、改めてこの『綺譚花物語』という作品の繊細さと構成の妙に感銘を受けました。
大変ありがたいことに楊双子さんも星期一回収日さんも日本語版を気に入ってくださったようです。とりわけ多くの注をつけて台湾文化を日本の読者に届けようとする翻訳者の黒木さんの情熱と、描き文字の処理の仕方(オリジナルの描き文字を損なわないように、絶妙にデザインされた日本語訳を添えています)に感心してくださっていました。
楊双子さんも星期一回収日さんも、既に何度も日本を訪れたことがあるとのこと。コロナ禍が明けたあかつきには、日本で対面のイベントなどもできるようになるといいですね。ちなみに楊双子さんは、小説『台湾漫遊録』が、来年2023年に邦訳出版されるそうです。こちらもぜひご期待ください。
今回のイベントが和気あいあいとした楽しいものになったのは、通訳を務めてくださった松浦優子さんのおかげでもあります。松浦さんは中日翻訳に携わる一方で、台湾情報ライターとしても活躍されています。「松浦優子のてくてく台湾散歩 ゲンキ台療!」というWEB連載もありますので、ご興味がある方はぜひのぞいてみてください。
『綺譚花物語』を始め、世界のマンガをクラウドファンディングで翻訳出版する「サウザンコミックス」では、現在、第6弾となるデイヴィッド・マッズケリ『アステリオス・ポリプ』のクラウドファンディングを行っている最中です。クラウドファンディングの期限は12月15日(木)までで、そろそろ残り20日という状況です。本書はアメリカ発のグラフィックノベルで、『綺譚花物語』とはまた違った魅力に溢れた作品です。ぜひ一度ページを訪れていただき、気に入っていただけたら、ご支援・応援よろしくお願いします。