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親友の死、深い傷を持つ男が出会う謎の少女
オランダを代表する女性作家が描く
コミック『ハチクマの帰還』を翻訳出版したい!

まだまだ少ないオランダのマンガの日本語訳を増やしたい!

皆さん、こんにちは! サウザンコミックス編集主幹の原正人です。

 

6月6日(木)から始まったサウザンコミックス第8弾エメー・デ・ヨング『ハチクマの帰還』翻訳出版クラウドファンディングも期間の半分を消化し、残すところ40日となりました。クラファンの終了日は9月2日(月)です。

 

既にご支援くださった皆さん、ありがとうございます! 現時点で137人の方にご支援いただき、目標金額の20%まで来ることができました。

 

今回サウザンコミックスが翻訳を目指しているのはオランダのマンガですが、実はオランダのマンガの日本語訳は今のところ非常に少なく、僕が知る限り、今回のプロジェクトの発起人・川野夏実さんご自身が翻訳したバーバラ・ストック『ゴッホ 最後の3年』(川野夏実訳、花伝社、2018年)とディド・ドラフマン『小さなベティと飛べないハクチョウ ひとりぼっちのヤングケアラー』(川野夏実訳、花伝社、2022年)の2冊しかありません。

 

そう考えると、日本ではまだ翻訳されたことがなく、ほとんど知られてすらいないエメー・デ・ヨングという作家の作品を翻訳するためのクラウドファンディングに、既に130人を超える方がご支援してくださっているというのは、奇跡と言うほかありません。

 

とはいえ、目標はあくまで100%達成です。サウザンコミックスのクラウドファンディングはAll-or-Nothing方式で、目標金額に到達しないと、この本の日本語訳を出版することはできません。身の回りにオランダのマンガに興味がありそうな方、この本のテーマに共感してくれそうな方、あるいは発起人の川野さんのチャレンジを応援してくれそうな方がいれば、こんなプロジェクトがあるよと、ぜひオススメいただけるとありがたいです。

 

 

『ハチクマの帰還』フランス語版を手にパチリ。テーブルの上に置かれているのは、サウザンコミックスの既刊

 

 

エメー・デ・ヨングは日本ではほとんど知られていないと言いましたが、実は彼女(エメー・デ・ヨングは女性作家です)は、2度も日本のマンガ賞を受賞しています。いずれも外務省主催の日本国際漫画賞で、2019年の第12回に『身体の老いとともに感情もまた老化する(Bloesems in de herfst)』が優秀賞を、そして2022年の第15回には『砂の日々(Dagen van zand)』が、なんと最優秀賞を受賞しています。つまり一部の日本の読者はエメー・デ・ヨング作品を読んでいて、高く評価もしているということなのです。そんな作家の作品に大半の日本人がアクセスできないというのは、あまりにもったいないし、悔しくさえあります。

 

今回翻訳出版を目指している『ハチクマの帰還』は、日本国際漫画賞の受賞作ではないのですが、エメー・デ・ヨングの評価を決定づけた、彼女の初期の代表作です。僕はひと足先にこの作品を読んでいますが(フランス語にも翻訳されています)、主人公の中年男性が、長らく蓋をしてきた過去の痛ましい記憶に悩まされつつも、それと対峙していく姿に胸が締めつけられました。人間誰しも何がしかの後悔を抱えながら生きているものだと思いますが、それとどう向き合うかというテーマを扱っているという意味では、とても普遍的で現代的な作品だと言えそうです。発起人の川野さんが自信を持ってオススメしてくれたこの作品を日本語に翻訳すべく、ぜひ皆さんのお力添えをいただければうれしいです。

 

ちなみに以下のリンクから発起人の川野さんが仮に翻訳してくれた『ハチクマの帰還』の一部を日本語でお読みいただけます。どんな雰囲気の作品なのか気になるという方は、ぜひご一読ください。

 

『ハチクマの帰還』翻訳一部先読み

https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/8348/activities/35334

 

ダヴィッド・プリュドム『レベティコ』(原正人訳、サウザンブックス社、2020年)から始まったサウザンコミックスも、今回ではや第8弾となります。これまで皆さんにご支援いただいて、フランス語圏のバンド・デシネ2冊、アメリカのコミックス2冊、台湾のマンガ1冊、チェコ・コミック1作、イスラエルのマンガ1冊と、世界のさまざまな地域のマンガを翻訳出版することができました。ぜひここにオランダのマンガ『ハチクマの帰還』を加えて、サウザンコミックスのラインナップをさらにカラフルなものにしたいと思います。

 

サウザンコミックス第1弾から第7弾まで

 

 

本プロジェクトの発起人・川野夏実さんのことを知らない人も多いかと思いますが、7月31日(水)の22時から1時間ほど、川野さんとXのスペースで、『ハチクマの帰還』や作者のエメー・デ・ヨングをめぐっておしゃべりすることにしました。よかったらぜひご参加ください。

 

オランダマンガ翻訳者・川野夏実さんとおしゃべり

twitter.com/i/spaces/1ynJODQrYdwxR

 

また、8月6日(火)には「海外マンガ勉強会#3」というオンラインイベントを行います。これは6月から始めた月1ペースのイベントで、回の前半に発表や質疑を行い、後半には雑談を行います。せっかくの機会なので、ここでも川野夏実さんにオランダのマンガについてお話しいただこうかと思います。ぜひ川野さんに会いに来てください。

 

オンラインイベント「海外マンガ勉強会#3」2024年8月6日(火)開催

https://note.com/thousandscomics/n/n764d62b615c1

 

残り40日、引き続きよろしくお願いします!

 



プロジェクトも後半戦です! 外の暑さに負けない熱いプロジェクトになるよう!!ご協力お願い致します。
 

 

 

2024/07/24 14:20