みなさん、こんにちは。『ハチクマの帰還』翻訳出版プロジェクト発起人の川野夏実です。今年も残すところ数日となりました。皆様にとって2024年はどんな年だったでしょうか。私にとっては言わずもがなクラファンに明け暮れた年でした。年が変わっても、多くの方々に支えていただいたこの2024年のことを大切に覚えておこうと思います。
先日、ロッテルダムの芸術ホールで、『ハチクマの帰還』著者のエメー・デ・ヨングにクラファン後、はじめて直接会うことができました。日本デビュー決定のお祝いとクラファンへの協力に対するお礼を伝えました。また、日本国際漫画賞の審査員を務められた、三浦みつる先生、一本木蛮先生、永野のりこ先生がクラファンへ寄せてくださった応援メッセージをオランダ語に翻訳し、エメーに渡しました。後日、エメーから「メッセージを大切に保存して、これからも折りに触れて読み返します!」と心のこもったお礼のメールをもらいました。新刊のプロモーションでヨーロッパ中を飛び回る多忙な日々の中でも、こうして周りへの心遣いを忘れないところが本当に素敵です!
著者エメー・デ・ヨング(左)と。
この日は、現在開催中の展覧会を記念したアーティスト・トークも行われました。エメーは元々、新聞マンガでデビューしたのですが、『ハチクマの帰還』を描いたことで、自分の進むべき道はグラフィックノベルだと確信したと語っていました。彼女の転機になった大切な作品を日本に紹介できることが、改めてうれしいです。なお、このトークショーはYoutubeで全編公開されています。英語音声・英語字幕つきです。日本のマンガから受けた影響についても話題に上がっています。
https://youtu.be/CVS9LE5yGZk?si=FQcph01IUqF5hEOl
展覧会は2025年2月2日まで開催されています。ロッテルダムにお越しになる方はぜひ立ち寄ってみください。白黒原画、カラー原画、スケッチや資料、アニメーション作品など、エメーのこれまでの歩みと功績をたどる展示会になっています。
https://www.kunsthal.nl/nl/plan-je-bezoek/tentoonstellingen/aimee-de-jongh/
展覧会のメインビジュアル。”Lord of the Flies (蝿の王)”より。
グラフィック・ジャーナリズム作品” Europa’s waiting room”の原画に見入る来場客
第15回日本国際漫画賞で最優秀賞を受賞した”Jours de Sable(砂の日々)”の登場人物スケッチ
『ハチクマの帰還』の翻訳作業ですが、順調に進行中で完成が近づいてきました。これから訳者あとがきを執筆します。エメーと作品の魅力を余すことなく皆様にお伝えしようと意気込んでいます。完成までもうしばらく、お待ちください!