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鬼才ホドロフスキーと神絵師ミロ・マナラ
名作バンド・デシネ『ボルジアの血脈』を
翻訳出版したい!

発起人からのお礼とご挨拶

皆さま、こんにちは。はじめましての方もいるかもしれませんね。『ボルジアの血脈』の発起人、鈴木賢三です。普段は主にフランスの出版社にマンガのライセンス契約の仲介をしてその作品を翻訳しています。

 

まずは、早速のご支援をいただきました皆さま、そして興味を持って拡散にご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました! 心から感謝いたします。どうか引き続き、よろしくお願いします!

 

クラウドファンディングの開始から1週間ほどが過ぎましたが、いざ始めると不安と期待がない交ぜになって、日々プレッシャーを抱えながらXに張り付いています。多くの皆様からの反応が大変励みになっていて、それが元気の素になっています。本当にありがたくうれしいことです。

 

ボクの印象では、ホドロフスキー監督のファンの方が多く、次いでボルジア家をきっかけに関心を持ってくださる方が多いようです。どうやら、ミロ・マナラの知名度がまだまだ日本では低いようで、このイタリアの巨匠の作品やイラストなどをもっと紹介して拡散しなければ! と決意を新たにしています。

 

実はそもそもボクが本書『ボルジアの血脈』に出会ったとき、真っ先に惹かれたのはその絵なのです。マナラは昔から大好きな作家さんでしたから、細身の体に少し分厚い唇というその特徴的なスタイルから誰の絵かはすぐに気づきました。しかし本作でボクが驚いたのはそこではないのです。まるでルネッサンスの絵画がそのままコマ割りされているかのような透明感のあるあの色彩と精緻な作画なんです。

 

インタビューでマナラは本作を描くにあたって、この作品を読者に「ルネッサンス絵画への旅」というつもりでも読んでもらいたいと思い、その再現のために特に色彩にこだわったと答えています。時間はいつもの倍はかかるが水彩を使い、特別に薄い水彩画用の紙を短冊状に切り、一コマ一コマを絵画のように扱って描いたというのです。大好きなボッティチェリを特に参考にしたと言っています。

 

マナラのこだわりはそれだけではありません。彼自身の言葉によれば、当時の美術史研究の資料をかなり買い漁り、建築や調度品、衣装などの時代考証にかなりこだわったとのことです。たとえば、この当時ミケランジェロがまだフレスコ画を描いていなかったので、マナラは資料を元に当時のシスティーナ礼拝堂を再現したと言っています。惣領冬美さんの『チェーザレ 破壊の創造者』も時代考証にこだわった見事な作画で多くのファンを魅了しましたが、マナラはそうした歴史的な再現をルネッサンス絵画のスタイルを活用して行ったというのが大きな魅力だと言えそうです。

 

他方、脚本のホドロフスキーは、舞台用の脚本ですでにボルジアをテーマにしたことがあり、このスキャンダラスな一族を「歴史上で最初のマフィア」だと明確にイメージを固めていたらしく、本作では彼らをゴッドファーザーのように描きたかったと述べています。冷酷で暴力的な手段もためらわず、欲望に忠実に奔放に生きているボルジアの面々をただのケダモノではなく、何か彼らなりの倫理やスジを持った人間として描きたかったのでないかとこの発言をボクは理解しています。

 

このように稀有な才能を持った二人の巨匠が互いのアイデアを真正面からぶつけ合っているのが本作『ボルジアの血脈』だと言えるでしょう。そんなところも見どころだと思います。

 

もちろん本書の魅力はこの程度の字数で語り尽くせるものではありません。おいおいどこかで触れさせていただきたいと思いますし、それこそ『ボルジアの血脈』をさらに楽しむための限定副読本にご期待いただきたいです。

 

プロジェクト成立に向けて、この先3か月間、全力で駆け抜けるつもりです。これからも引き続き、どうかよろしくお願いします!

 


 

クラファン開始1週間で支援者数77名達成率10%です。

まだまだこの作品を知らない人に届けたい! 情報拡散のご協力どうぞよろしくお願いします。

 

2025/08/05 13:26